パラベンフリー
 
用語解説
パラベンフリーとは
一般的に、化粧品の成分としてパラベンを使っていないこと。
一般的にというのは、こうだったら「フリー」と言っていいという規定がないため。

コスメコンシェルジュから一言

パラベンだけでなく、○○フリーの訴求には、こうだったら「フリー」と言っていいという規定がありません。それでもこれだけ「パラベンフリー」を化粧品選択の決め手とする人が増えているのは、

-パラベンがアレルギーを起こす可能性があるとされる旧表示指定成分に入っていること

-乳がんへのパラベンの関与を懸念した論文が発表されるなど、乳がんとパラベンとの関係が研究されていること

-それらの論文や研究を背景に、その事実関係がどうあれ、乳がん患者を支援する化粧品会社(特に欧米では多いですね)はパラベンを配合しないという姿勢をとっていること

といった背景がパラベンは悪いものという消費者意識を高めているのではないかと思われます。旧表示指定成分に入っているがためにもともとネガティブなイメージを持たれているパラベンが、化粧品会社の乳がんの早期発見・早期治療を支援するキャンペーンによってますます嫌われ者となり、パラベンフリーなる言葉が定着したのかもしれません。

水虫薬などにも配合されているのでパラベンは劇的な殺菌力があるイメージをもたれることがありますが、水虫薬に入っているパラベンは化粧品と同じくその水虫薬自体の防腐が目的です。
パラベンは安全性が高い防腐剤の一種で、かつ化粧品会社ではできるだけ使用量を下げる方向で処方を組む努力をしていて、使用量の上限は1%のところ 0.1~0.3%と少量の配合量にとどめれているのが一般的です。

必要以上に心配する必要はないと思いますが、それでもパラベンを避けたい場合、○○フリーと表記するのに細かい規定がない以上、「パラベンフリー」だからパラベンは一切入っていないと思い込むのは危険です。処方上はパラベンを配合せずとも、何かの原料にそれの防腐目的でパラベンを使っていたかもしれず、それがキャリーオーバーとして残っている可能性があるかもしれないからです。しかしキャリーオーバー成分については表示の必要はありません。
だからと言ってそれを抜け道に、キャリーオーバー成分としてパラベンが入っているのに、表示義務はないのだからと「パラベンフリー」を全面的に訴求するなんてことが積極的に行われているとも考えにくいです。成分分析をすればすぐわかってしまう、ルール上表示義務がないにせよ、それは企業の信用問題に関わりますから。実際、化粧品会社はパラベンフリーの化粧品製造においては原料の段階からパラベンが使われていないものを調達していると聞きます。少なくても当サイト管理者が勤めていた企業では、キャリーオーバー成分の場合は○○フリーは表現できないと厳しく規定されていました。

そうは言っても、現在はあらゆる企業から化粧品が販売されています。中には化粧品専門でない企業もありますし、化粧品会社だけど日本の薬事法や化粧品に関するガイドラインをよく理解していない海外の企業もあるでしょう。○○フリーに関する規定がない以上、キャリーオーバー成分の表示義務がない以上、成分分析をしなければわからない以上、本当にパラベンフリーなのかどうかは化粧品会社と原料会社の誠意に託されていると言えるので、価格や話題性だけでなく信頼できる化粧品会社の商品を選ぶようにしたいものです。

キャリーオーバー成分はその成分の役割を果たせないほど薄まってはいるはずですが、本当にパラベンが肌に刺激になる人は、全成分表示だけで判断せず皮膚科医に相談することが大切です。
成分の関連用語
粉末 粉末成分
キレート剤 旧表示指定成分
INCI名 紫外線防止剤
保湿成分 グリセロール
D&C 天然原料
パール剤 パール顔料
酸化亜鉛 有機顔料
リン酸アスコルビルMg UVフィルター
ヒアルロン酸 エステル油
グリセリン エッセンシャルオイル
油溶性 非自然原料
酸化鉄 エモリエント剤
ロウ メチルパラベン
原料 炭化水素
色材 安定型ビタミンC誘導体
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