皮膚【ヒフ、skin】
 
用語解説
皮膚とは
皮膚とは、動物の体全体を覆っている皮のこと。
皮膚は、一層または複数層の皮でできた器官(臓器)であり、ヒトの皮膚の場合は肌とも呼び、大別すると表皮真皮皮下組織の3層に分けられる。
ヒトの皮膚について
皮膚の面積は、平均して一般成人で1.6㎡と言われます。
厚さは年齢や性別、部位により差があり、まぶたが最も薄く、最も厚いのは手のひらと足裏です。顔の皮膚は薄い方です。皮膚の厚さは、一般的に、男性は女性より、大人は子供より、厚いです。
皮膚の重さは、体重の約16%を占め、体の中で最も重く大きな器官(臓器)と言えます。

皮膚は、臓器でありながら表面を目で見ることができます。皮膚表面は、内臓の異常や精神状態によって蒼白したり紅潮したり、体の内外の影響からシミや吹き出物などが出現したりなど、様々な変化が見られます。そのため皮膚は、美容上の美しさだけでなく、健康や精神面を反映するバロメーターでもあります。
●皮膚の重要な役割
皮膚は、体の表面にあり、紫外線、乾燥、温湿度変化、埃などの外界の影響に直接接しています。好ましくない影響が生体に害を及ぼさないよう、皮膚は様々な作用を発揮する役割があり、保護、知覚、体温調節、呼吸、分泌排泄、吸収の6つの作用は、ヒトの生命活動を守る大変大切な作用です。わずかながら皮膚には呼吸作用もあるのです。
●皮膚表面を見ると
手のひらと足の裏を除き、肌表面を拡大して見ると、網目のように細かいくぼみと高まりがたくさんあることがわかります。このくぼみを皮溝、高まりを皮丘と言います。この網目状のことを「肌のキメ」と言います。
皮溝が交差しているところにある小さな孔(穴)は毛孔という毛の出口で、そこから毛が伸びています。皮丘は三角形や四角形をしていて、中心部に1個ずつある孔(穴)は汗の出口である汗孔です。

肌のキメは、性別や年齢によって異なり、同じ人でも体調や気温、湿度、紫外線などの影響で変化することがあります。一般的に年齢が若いほど、そして男性よりも女性の方が、キメが細かくととのっています。キメの美しさは、皮溝の幅や深さと皮丘の大きさや高さ、毛孔の大きさ、そしてこれらが均一に揃っているかどうかで決まり、キメがととのった肌はしっとりなめらかで透明感があります。

キメがあらかったり、キメがはっきりしない(くぼみと高まりがなく平坦)肌は、べたつきやかさつき、くすみなどが生じやすい状態です。
●皮膚断面を見ると
皮膚は、表面から順に、表皮真皮皮下組織の3つの層に分かれています。さらに表皮は、表面から角層顆粒層有棘層基底層で構成されています。
皮膚は非常に薄く、化粧品で関与が考えられる表皮と真皮は、あわせて大よそ2㎜です(表皮0.2㎜、真皮1.8mm)。表皮の中で最も外側にある角層は0.02㎜程度です。

表皮の一番内側の基底層では、細胞分裂によって毎日新しい表皮角化細胞(ケラチノサイト)が生まれます。角化細胞は形を変えながら、後から分裂する細胞に徐々に押し上げられて、有棘層、顆粒層へと上がっていき、最後に角層で角層細胞に変化して積み重ねられます。この過程を角化と言います。角化の過程で、細胞間脂質を構成するセラミドや角層細胞中でうるおいを保つNMFなどが作られるので、角化が正常に進行していることが大切です。

このようにして新しい細胞が生まれる一方、それらは角化によって最後は垢となって皮膚からはがれ落ちることで、表皮の細胞が生まれ変わっていきます。この生まれ変わりをターンオーバーと言います。
皮膚のしくみの関連用語
Uゾーン アポクリン腺
フォトスキンタイプ 色素形成細胞
皮紋 立毛筋
Tゾーン 皮脂腺
メラニン 脂腺
細胞外マトリックス 毛球
角質細胞 表皮突起
表皮幹細胞 セラミド
天然保湿因子 顆粒層
肌理 皮脂膜
顆粒細胞 皮溝
コラーゲン線維 幹細胞
古い角質 表皮
デンドライト アポクリン汗腺
樹状突起 エクリン腺
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