ターンオーバー
 
用語解説
ターンオーバーとは
ターンオーバーとは、肌が自ら生まれ変わるしくみのこと。ターンオーバーは、表皮の細胞が生まれてから垢として剥がれ落ちるまでの一連の流れであり、「(肌の)新陳代謝」や「(肌の)生まれ変わり」とも呼ばれる。
肌のターンオーバーについて
○肌のターンオーバーとは
肌のターンオーバーとは、肌が自ら生まれ変わるための一連の流れのことを言います。ターンオーバーによって、表皮の細胞は絶えず置き換わっています。表皮は、肌の外に直接触れており、ダメージも受けやすいため、ターンオーバーによる継続的な細胞の入れ替えは非常に大切なことです。
肌のターンオーバーと表現しても、通常それは表皮のターンオーバーを指します。そのため、表皮ターンオーバーと呼ぶこともあります。単にターンオーバーと呼ぶことも多いです。

○ターンオーバーの流れ
ターンオーバーは表皮角化細胞が生まれることから始まります。基底層にある基底細胞が2つに細胞分裂すると、そのうち1つは表皮角化細胞となり、もう1つは基底細胞としてそのまま残り、必要な時にまた細胞分裂します。

そこで生まれた表皮角化細胞は、後から同じように生まれてくる細胞に押し上げられて徐々に上層へ移行します。基底層から離れた後は、形を変えながら有棘層顆粒層へと移行し、最後に角層まで上がります。細胞が生まれてからここ(角層に到達する)までの過程を角化といいます。

角層細胞になると核は消失していますが、皮膚を守るためにバリア機能や保湿機能などの働きを担い、その役割を終えると垢やフケとなってはがれ落ちます。細胞が生まれてからここ(垢やフケとなって剥がれ落ちる)までの過程をターンオーバーといいます。

○ターンオーバーの過程で変わる表皮角化細胞の名前
表皮角化細胞は、単に「角化細胞」や「ケラチノサイト」とも呼ばれます。表皮角化細胞は、機能分化しながら上層方向へ移行し、それぞれの層で基底細胞有棘細胞顆粒細胞角層細胞と呼ばれます。

○ターンオーバーのはやさ
ターンオーバーのはやさはターンオーバーサイクルに関係します。ターンオーバーによる角化の過程で、アミノ酸やNMF細胞間脂質など皮膚に大切な成分が作られるため、ターンオーバーのはやさが良好な肌は、しっとりとなめらかな状態です。ターンオーバーのはやさが良好というのは、基底層で生まれる細胞と最後に角層からはがれ落ちる細胞のバランスが取れている状態です。

このバランスが崩れると、角質肥厚不全角化などが生じ、肌トラブルの原因となります。ターンオーバーが遅いと、角層細胞が肌からなかなかはがれ落ちず過剰に重なり、角層が厚くなることで、肌がくすんだり、ごわついたりしやすくなります。逆にターンオーバーが早すぎると、本来は成熟しながら角層に到達すべき細胞が未熟なまま角層に到達するため、バリア機能をきちんと果たすことができないことで、肌が乾燥するなどのトラブルを招きやすくなります。

また、紫外線を受けたり、皮膚表面が傷ついたりすると、ダメージを受けた部分を修復するため、細胞を新しく入れ替えようと基底細胞が活性して新しい角化細胞が盛んに作られることで、ターンオーバーが早まります。
ターンオーバーサイクルとは
ターンオーバーサイクルとは、表皮の細胞の生まれ変わり周期のことです。ターンオーバー周期とも言います。具体的には「角化細胞が生まれてから剥がれ落ちるまで」のはやさ(期間)のことです。しかし、場合によっては、角化細胞が生まれる前の期間、つまり基底細胞の分裂期間も含めてターンオバーサイクルとする場合もあります。そのため、ターンオーバーサイクルは、約4週間(28日)、約6週間(42日)、約45日間、47~48日間など、メーカーや人によって表現する期間が異なります。

ターンオーバーを約4週間(28日)とする場合は、角化の過程(表皮角化細胞が生まれてから角層に到達するまで)が約2週間、その後、角層にとどまっているのが約2週間という考えです。この場合、「角化細胞が生まれた後」であることを示した上で約28日と表現するのが通常で、化粧品メーカーが消費者に向けた表現の主流です。

約6週間(42日)とする場合は、角層に到達するまでが約4週間、その後、角層にとどまっているのが約2週間という考えです。角層に到着するまでの約4週間のうち、前半2週間は基底層基底細胞が分裂して角化細胞を生み出すのに有する期間、後半2週間は角化の過程(生まれた角化細胞が角層に到着するまで)の2週間です。約45日や47~48日間などと表現している場合も、基底細胞の分裂期間を含めて考えられています。

このようにターンオーバーの期間が異なる大きな理由は、ターンオーバーの始まりを細胞が生まれてから数えるか、生まれる前から数える(細胞分裂の期間を数える)かの違いによります。つまり、ターンオーバーの過程を細胞の「分裂期間」+「分化期間」+「角層で留まる期間」の3段階に分けて考えた場合に、最初の分裂期間を含めるかどうかです。

また、研究や情報発信の目的により、基底層での細胞分裂期間を考慮すべき場合と、そうでない場合もあります。さらに、ターンオーバーは、人や部位、肌状態などによって異なり、同じ人の同じ部位でも年齢や季節、体調などによって変わります。そのため研究データにも様々な違いがあります。

コスメコンシェルジュからひとこと

ターンオーバーの周期に関しては、様々な意見や研究結果がありますが、同じ人でも部位や年齢、季節により変化がありますし、内部のターンオーバー過程を正確に測定することは、現在は技術的に難しいのではないかと思います。ですから、厳密な日数を追求し決定づけようとすることは、あまり得策ではないと思います。様々な日数が見られますが、それらはたいていどれも間違えではないようです。

同じ企業内でも様々です。例えば、広告等で「細胞が生まれてから約28日」とする化粧品メーカーが、その研究部門では約42日として扱っていることもあります。化粧品の肌への浸透で標ぼうできるのは角層までですし、細胞分裂に関する内容を標ぼうすることは不可能に近いです。そういった化粧品の効能効果との関係性を考慮すると、角化細胞が生まれた後の過程に注目した約28日を標準とした方が、お客様がイメージしやすいかもしれません。

一般的に、皮膚の生まれ変わりの営みは、細胞の分裂期間+分化期間+角層で留まる期間の3段階に分けて考えられること、そして分裂期間を含める場合と、含めない場合の2つの考え方があること、同じ企業内でも目的によって変わる場合があることだけでも知っていれば、異なる数字を目にしても戸惑うことがないでしょう。
ターンオーバーの好不調は肌症状に現れます。日数を気にするより、健やかな肌を保つよう意識したスキンケアを続けることの方が大切だと思います。
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