柔軟化粧水とは 柔軟化粧水とは、肌に適度な水分を補い、肌を柔軟にし、みずみずしくなめらかな肌に整える化粧水のこと。次に使う化粧品のなじみも高める。化粧水と言うとこの柔軟化粧水を指すのが一般的。ソフナーやソフニングローションなどとも呼ぶ。 |
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柔軟化粧水について 〇柔軟化粧水のはたらき柔軟化粧水は、角層を柔軟にして、うるおいで満たすことで、肌をみずみずしくなめらかに整えます。柔軟化粧水によって肌が整うことにより、次に使う乳液などの肌なじみも高まります。水だけでも肌は一時的に柔らかくなりますが、すぐに水分が蒸発してしまいます。柔軟化粧水を使用すると、水だけの場合よりも肌が柔らかくなり、その柔軟性も持続します。 柔軟化粧水の中には、水分や保湿成分によるうるおい補給や柔軟効果以外にも、美白や乾燥による小じわ、肌あれなどに対応した効能効果のある柔軟化粧水や、医薬部外品に該当する柔軟化粧水もあります。 柔軟化粧水はベーシックケアに位置づけられるアイテムです。さっぱりタイプとしっとりタイプというように、使用感触違いの商品配置もよくあります。 〇柔軟化粧水の剤型と基本的な構成成分 柔軟化粧水は、水(精製水)をメインにその他にアルコール類などの水溶性成分を合わせて基剤とし、効能効果や特性に応じて薬剤や保湿剤、界面活性剤、安定剤、香料、色剤などが配合されています。 化粧品の中で最も水分が多く配合されていますが、水溶性成分だけで構成されているわけではありません。柔軟効果や保湿効果があるのは、油性成分が配合されているからです。水には本来混じり合わない油性成分が配合されているにも関わらず透明な外観をしているのは可溶化によるものです。 水のようなシャバシャバ系の剤型が一般的ですが、マイクロエマルジョン処方により白濁していたり(半透明)、若干とろみがあるタイプの柔軟化粧水もあります。 |
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柔軟化粧水の美容法と海外状況 洗顔後の肌はpHがアルカリ性に傾きがちです。次第に肌のホメオスタシスによって、肌は弱酸性の元の状態に戻りますが、柔軟化粧水の多くはより早く肌を元の弱酸性に回復させる働きがあります。また、次に使う化粧品のなじみをよくすることもあり、一般的に柔軟化粧水は洗顔後一番最初に使用することが推奨されます。ただし、化粧品会社やブランドによって異なる考え方や美容法があります。柔軟化粧水より先に乳液を使う美容法や、オールインワンジェルなど化粧水自体を使わない美容法、柔軟化粧水の前にブースターが配置されているなど様々です。 柔軟化粧水は日本の化粧文化の代表であり、日本の気候や水質に影響された古くからの生活習慣が今日まで続いているのだとよく言われます。欧米ではふきとり化粧水や収れん化粧水にあたるものは見られますが、柔軟化粧水に相当するものはなかなかありません。だからと言って「洗顔後は肌にたっぷり水分補給し、表面のpHを整え、みずみずしく柔らかくして、次に使うアイテムの浸透を高めましょう」という柔軟化粧水ならではの考え方が全くないというわけでもありません。トーニングの中には、拭き取りながら、柔軟化粧水に近い特長を有する製品もみられます。 とは言え、日本の柔軟化粧水は、欧米から見ると非常に多機能で塗布後の肌実感も美容液レベルという印象があります。そこで、欧米の外資系化粧品メーカーは、トナーとは別に、日本または東アジア専用に柔軟化粧水を開発しているケースも珍しくありません。逆に、欧米で展開する日本の化粧品メーカーは、柔軟化粧水の名称や訴求、使用法などをトナー寄りにするなど、欧米市場で受け入れられやすい工夫をして販売したり、柔軟化粧水をラインナップから外したりすることもあります。 日本国内では柔軟化粧水を英語表記する際、Lotion(ローション)、Softening Lotion(ソフニングローション)、Softener(ソフナー)などとしますが、欧米でLotionと言えば乳液のことを通常指すため注意が必要です。お隣の国、韓国でもLotionと言えば乳液のことを指すのが一般的です。 |