乳液について 〇乳液の特徴乳液は、皮膚のモイスチャーバランスをととのえ、油分によって肌の水分蒸発を防ぐことで肌のうるおいを保つアイテムです。このような基本機能に加え、より保湿効果が高められたり、他の機能が付与されていることも多く、美白や肌荒れ改善などの薬剤を配合し、医薬部外品に該当する乳液も多くあります。 〇同一品種のタイプ分け 柔軟化粧水のようにさっぱりタイプ、しっとりタイプといった感触違いの配置がよくあります。さらに朝用(日中用)と夜用に分けたラインナップもよく見られ、朝用は紫外線防御効果や肌を明るく演出する効果があったり、夜用は睡眠時間を生かした長時間の保湿効果があるなど、日中と夜の生活シーンに合わせた効能効果が付与されることがよくあります。 〇呼称について 乳液は「エマルジョン」とも呼ばれます。エマルジョンやクリームという呼称は剤型と連動しているため、乳液状やクリーム状といった剤型に関係なく「保湿剤」と呼びたい場合はモイスチャーライザーとすることもあります。 海外でも製品名にエマルジョン(emulsion)とつけたアイテムは見られますが、エマルジョン(emulsion)と言うと製品としての乳液ではなく乳化物という意味で表現していることもあり、乳液を指す場合はローション(lotion)やモイスチャーライザー(moisturizer)と呼ぶ傾向です。日本ではローションは通常化粧水を指すため注意が必要です。 〇乳液の剤型と基本的な構成成分 一般的に乳液はO/W型で、精製水をメインに油分と保湿剤を合わせて15%-35%程度加えたものを基剤とし、効能効果に応じて薬剤や保湿剤、界面活性剤、安定剤、香料、色剤などが配合されています。 クリームとの違いは乳化粒子と粘度の差になります。乳液は、クリームに比べて水分が多く油分が少ないことに加え、クリームよりも固形油分が少ないため液体に近い状態になります。クリームに比べ乳化状態が不安定になりやすく、処方や乳化技術などに様々な工夫が必要と言われています。 |