PA【ピーエー、Protection Grade of UV-A】
 
用語解説
PAとは
PAとは、UV-A紫外線A波)を防ぐ効果の目安を+の数で表したもののこと。+が多いほどUV-A防御効果が高いことを示す。PAはProtection Grade of UV-Aの略。
PAについて
〇PA表示の意味
UV-A(紫外線A波)は、雲や窓ガラスも通過して肌に影響を及ぼし、光老化の原因とも呼ばれます。PAの+の数はこのUV-Aをどれだけ防御できるかの度合いを示し、PA+(プラス)からPA++++(フォープラス)まであります。PA++++は2013年1月から表示可能となりました。

具体的には、皮膚の黒化が、日やけ止めを塗らない場合に比べ、塗ることでどれだけ耐えられるかを数値化したものから、UV-A防御効果の度合いを次のように示しています。

PA+→UVA防止効果がある
PA++→UVA防止効果がかなりある
PA+++→UVA防止効果が非常にある
PA++++→UVA防止効果が極めて高い
〇PAの測定法と表示の仕方
SPF表示もPA表示も国際的に定められている測定法で得られた値です。SPF測定法はISO24444、UVA測定法はISO24442に準拠しているかたちです。PAもSPFと同様に、製品を1cm2あたり2mg(または2μL)を皮膚に塗布して測定されます。

人の背中に、人口太陽光からUV-Bを除いたUV-A照射光源(波長:320~400nm)を照射し、数時間後に皮膚の黒化を起こす最も少ないUV-A量(MPPD)を判断します。SPFと同じように日やけ止め塗布部と無塗布部との比を求めた値(UVAPF)の大きさによって+の数が下のように決まります。塗布部分のMPPD÷無塗布部分MPPD=UVAPFです。

UVAPFが2以上4未満→PA+(UVA防止効果がある)
UVAPFが4以上8未満→PA++(UVA防止効果がかなりある)
UVAPFが8以上16未満→PA+++(UVA防止効果が非常にある)
UVAPFが16以上→PA++++(UVA防止効果が極めて高い)

PA++++は、日本化粧品工業連合会によりPA値の基準が拡大され、2013年1月から表示可能になりました。それまでは、PA+++(スリープラス)までの3段階でした。

〇海外におけるUVA防御力を示す表示
SPFと同じように、UVA防御力の判定基準や表示の仕方は国や地域によって様々です。PA値で表示しているのは日本や韓国など一部の国・地域に限られ、PA表示のままでは販売できない国もあります。PAは日本が開発した指標です。

PA値以外のUVA防御能を示す表示として、EUでは日本とは全く異なるUVAマークと呼ばれる表示があります。PA表示はSPFと切り離して考えられますが、EUではUVB防御効果が高いものほどUVA防御効果も高くあるべきという考えです。また、アメリカFDAの規制では、ブロードスペクトラム(Broad Spectrum)表示があります。

in vitro測定法
ISOからは2012年にin vitroのUVA防止効果測定法が発行されました。人の皮膚で測定することのリスクを考慮し、海外では in vitroでの測定法を採用する傾向にあり、ブロードスペクトラムを決定する試験もin vitro試験です。日本においては粧工連からin vitroでの測定基準はまだ出されていません(2015年現在)。

コスメコンシェルジュからひと言

日焼け止めを選ぶ際、SPFの数値のみに注目しがちですが、UVBだけでなくUVAの防御も大切です。ぜひPA値も意識したいものです。UVBによる肌のダメージはサンバーンの痛みですぐ気付くことができますが、UVAによるダメージはゆっくりこっそりという感じです。しかし、だからといってUVAは危険ではないという話ではありません。地上に到達する紫外線の約9割はUVAですし、UVAはUVBより波長が長いため、曇りの日でも雲を通り、ガラス窓も通過してUVBよりも肌の奥に届きます。真皮にまで届けばコラーゲン線維エラスチン線維にダメージを与えるリスクもあります。

PAはSPFと同じように、1cm2あたり2mgを塗布して測定された結果です。これはかなり厚く塗った状態です。例えば平均的な化粧品を顔全体に使用する量を鑑みると、乳液が1.5ml、クリームは0.3g(300mg)程度ですから、1cm四方に2mgの塗布がかなり多いことが感じられませんか?さらに、時間の経過とともに汗や摩擦などで日やけ止めは落ちてしまいますし、日に当たることで日焼け止め自身が劣化する可能性もあります。

SPFと同じようにPAも意識し、表示通りのPA効果を得るためにも、日やけ止めはできるだけたっぷり塗布し、こまめに塗り直すことが大切です。
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