化粧品の容器について 容器とは、何か物を収納する入れ物を総称した言葉ですが、化粧品などで容器と言う場合は、化粧品の中身の保護や表示、装飾などを目的とした入れ物を指します。多くが直接の容器と呼ばれるもので、その製品を使い終わるまで中身の品質を保持するものです。中には、個包装されたものをまとめて入れる容器のように、直接の容器でない場合もあります。容器と言うと、中身を充填している部分のみを指しがちですが、ふたや中栓なども容器の一部です。また、容器は中に収めた化粧品に対し、物理的、化学的に作用して、品質や性状に影響を与えるものであってはなりません。 化粧品の容器には様々なものがあります。例えば、スキンケアでは、化粧水のボトル、クリームのジャー、洗顔フォームやアイクリームのチューブなどがあります。メイクアップではファンデーションのコンパクトケースからアイブローの繰り出し式ペンシル容器まで多種多様で、口紅やリップグロス、マニキュア、マスカラなどそれぞれの製品特性に合わせた容器が用いられます。 また、クレンジングオイルのディスペンサー容器、ハンドソープなどに多いポンプフォーマー容器、キャップに筆やチップがついたマニキュアやリップグロスの容器など、キャップやノズル部分があってこその容器もたくさんあります。 ガラスなのか樹脂なのか金属なのか、キャップはねじ式かワンタッチ式か、口元の口径の大きさはどうかなど、中身の特性やデザインに応じ、同タイプの容器でも素材や細かい部分の設計が異なります。 化粧品メーカーは、様々な容器メーカーから容器を調達しますが、容器メーカーによって取扱い内容が異なるため、複数の容器メーカーと取り引きすることが一般的です。 化粧品の容器は、単に剤型や容器価格、デザインだけで選ぶのではなく、中身との相性やその化粧品全体の製造コストを考慮し、そして何より消費者にとって安全でありながら使い勝手がよいものでなければなりません。紫外線や照明による中身の変質を防ぐため、容器の素材や塗装に制限があったり加工が必要になったりすることもあります。 また、容器メーカーの持ち型を使う場合もあれば、ブランドやその化粧品のオリジナルの容器を作ることもあります。オリジナルの容器を製作する場合は、金型が必要となり、容器代とは別に金型代が発生します。 ファンデーションのスポンジが入ったビニール袋やシートマスクのアルミパウチなどは、容器ではなく被包と呼びます。 |