アンプル【ampoule, ampule】
 
用語解説
アンプルとは
アンプルとは、注射剤などを入れるための薄いガラス製の密封容器のこと。
アンプルについて
アンプルは、医薬品の注射剤などに使われるガラス製の密封容器です。中身を充填した後に、上部を熱で溶かして密封し、容器の一体構造が完成します。使用時には、容器の頭部をパキッと折るようにして開封します。

近年、化粧品分野においても、美容液などで「アンプル」という名称や、アンプルに似たデザインの容器が見られます。海外ブランドの製品が日本で知られるようになり、そのまま広まった印象です。
しかし、法律は国・地域によって異なります。少なくても日本では、「アンプル」という呼称や形状は医薬品を想起させる可能性があり、名称の場合、多くはNG名称と判断されます。アンプルの表現を化粧品で用いるには注意が必要です。
(次章の「アンプルをめぐる考察(コスメコンシェルジュからひとこと)」をぜひご参照ください)
アンプルをめぐる考察(コスメコンシェルジュからひとこと)
化粧品でも、アンプルを模した容器や、アンプルとついた名前が見られます。多くは、1回分あるいは数回分の使用量を充填した少量タイプで、美容液の一種として、高機能や特別感を演出する目的で使われています。

それらは、少量、集中ケア、海外イメージなどが組み合わさって、訴求力が高まっています。

美容液は、「セラム」「エッセンス」など、様々な呼び方がされますが、定義がないため各メーカーやブランドが事実である範囲で自由につけられます。そのため、アンプルと名前がついた製品も登場してきました。

しかし、ここで考えたいのは、アンプルは医薬品用語でもあり、容器は注射剤容器の一種である、つまり医療用ということです。「アンプル」という名称は注射剤用の容器を想起させ、その容器はどんなに加飾を施されても医薬品をイメージする可能性が高く、消費者に誤解を与えかねません。

ついては、アンプルは「医薬品的」と判断されるのが通常であるため、化粧品の容器や名称、広告において、安易に「アンプル」を用いることはおすすめしません。

東京都健康安全研究センターは、「化粧品の販売名について(製造販売届書の提出前にご確認ください)」の文中で、アンプルは医薬品的な形状であると明示しています。また、化粧品の表示に関する公正競争規約種類別名称のリストにアンプルはありません。販売名称や種類別名称でNGな名称を、商品のニックネームやその他の広告表現で用いることは、誤解を生じ、メーカーやブランドの信頼を損ないかねません。

また、医薬品は、使用量や用法を守らなければリスクを伴い、時に医師や薬剤師の指導のもとで使われるものです。そうした医薬品本来の「アンプル」に対する注意や認識が、化粧品で「アンプル」という名称や容器が用いられることで薄れてしまうのではないか――私は、そこに懸念を抱いています。
化粧品がそのような存在になってしまうのは、少し悲しくありませんか?

薬事(薬機法)に関するご相談承ります

その製品ならではの魅力的な商品名(愛称)をつけ、広告をし、パッケージにしたいものです。薬機法をはじめとしたルールを守るだけでなく、時代性を鑑みながら、訴求力と魅力を高めるお手伝いをいたします。ご相談を承っておりますので、お気軽にご連絡ください。
2020/03/02 15:23:27
当サイトのご利用に関して  |  サイトと会社の紹介  |  プライバシーポリシー  |  ガイドライン・事例早引き
Copyright(C) 2025 cosmeconcier.jp PC版へ