美容液について 〇役割美容液は、肌に対し「もっとこうなったらいいな」「ここが気になる」といった目的や肌悩みに対応した効能効果が期待できる、あるいは「もっと高機能なものを使いたい」「もっと深くお手入れしたい」といったユーザーのお手入れ意識を満足させるアイテムです。美容液は、一般的にスペシャルケアと呼ばれ、高保湿系や、しわやたるみを考えたアンチエイジング系、シミやニキビ跡などの部分的な色素沈着を考えた美白系など様々な製品があります。 また、美容液は単品で取り入れやすい性格があるため、他ブランドユーザーでも使いやすいアイテムです。化粧品会社や販売店においては、美容液をきっかけに、競合するブランドやお店の愛用者と接点を持てるというマーケティング上の役割もあります。 〇剤型 美容液の剤型は、液状、乳液状、ジェル状、バーム状など様々ですが、通常は多くが液状かジェル状で、クリームより粘度が低いです。しかし、美容液と呼ぶ製品にするための剤型の基準はありません。各化粧品会社が自由に美容液と称して販売できます。 〇ブランドや同一ライン(シリーズ)内での位置づけ あるブランドやラインに複数のスキンケア製品がある場合、その中でも美容液は他製品より高機能です。具体的には、美容液は、目的に合わせた有用成分が他製品より多く配合されたり、有効成分が配合されたり、新しい美容理論や作用メカニズムが他製品より先駆けて反映されたりすることがよくあります。外装も他製品より高機能感や高級感が感じられる特別なデザインにすることが一般的です。価格も他製品より高く設定されます。 このように美容液は、ブランドを象徴したり、ラインを代表するような位置づけといえます。しかし、美容液とする基準や効能効果の度合いはメーカーによるため、A社の美容液よりB社の乳液の方が高機能であったり、効能効果に優れることもあります。 〇使用順序 通常、美容液は基本のお手入れにプラスで使うアイテムです。美容液の使用タイミングは「化粧水の後、乳液の前」と従来より言われますが、製品によってまちまちです。ユーザーによっては、化粧水や乳液は使用しない、あるいは一度に複数の美容液を使用するということもあります。もともとブランド内に美容液以外の製品が配置されておらず、これ一本でお手入れが完了するという美容液もあります。使用順序に迷った時、特にメーカーから提示されていない場合は、目安としてはテクスチャーの軽いものから使用します。 〇日本での呼称と英語での表現 美容液は、セラム、エッセンス、アンプルなど様々な呼び方がされますが、呼称には定義がなく、それぞれserum、essence、ampuleをカタカナ読みにしたものです。英語で美容液と言う場合はserum(セラム)が的確です。essence(エッセンス)はエキスや精油を意味することはありますが、日本でいう「美容液」としては通じないことが多く、理解を得るには説明が必要かもしれません。しかし、商品名称のように固有名詞にはessence(エッセンス)が使われることがあります。(例:「コスメビューティーエッセンスは先月発売されたセラムです」) アンプルは比較的新しい呼称です。 〇種類別名称 もともとは、「液」と付けるにはかけ離れた剤型の場合や、エキスのような成分が凝縮したイメージを出したい場合に「〇〇エッセンス」とすることがよくありましたが、現在ではエッセンスは剤形などに関係なく、化粧水や乳液より高機能とする製品に美容液と同義で使われる言葉です。エッセンス以外のセラムやアンプルも含め、これら〇〇エッセンス、〇〇セラム、〇〇アンプルという名称には種類別名称が必要ですが、代表的な種類別名称が「美容液」です。美容液以外に「化粧液」や「保湿液」も種類別名称として使用可能です。美容液の剤型は幅広いため、種類別名称には剤型を付記することがよくあります(例:商品名:コスメビューティーエッセンス、種類別名称:クリーム状美容液)。 |