ティント【tint】
 
用語解説
ティントとは
ティントとは英語の「tint」から。

1.ほんのり色を付けること
ティント乳液、ティンテッドクリームなどのように乳液やクリームの機能をメインにしながらもちょっと色づくような製品機能を「ティント」と表現したり、名称に「ティント」「ティンテッド」を付けたりすることがよくある。英語の「tint」から。

2.唇に染み込ませるように色を付けるリップカラーアイテム
唇からにじみ出ているような印象と食べたり飲んだりしても落ちにくいことから、まるで唇そのものの色のような自然さが特長。リップティントと呼ぶのが一般的
リップティントとは
〇「ティント」の意味
ティントの語源である tintには、色がついている様子(色合い)や、ちょっと色づける、色をちょっと変えるという意味があります。髪を染める意味もあります。

〇リップティントの性質
リップティントは、唇を染めるようにして色づけるアイテムで、リップグロスよりもさらに水っぽい剤型であることが一般的です。顔料が主成分の口紅やリップグロスが唇表面に色を塗ることに対し、リップティントは染料が主成分で唇を染めるように色付けます。それは、粒子が大きい顔料と違い、染料は粒子が小さいため唇の皮膚の凹凸による隙間にも入むことができるからです。

〇リップティントの特徴 メリット・デメリット
その性質上、リップティントは色持ちが良く、食べたり飲んだりして落ちにくいのはもちろん、歯に色が付いたり、衣類やマスクに色移りししたりしにくいのが特長です。さらに時間とともにもともとの唇の色であるかのように唇と一体化し、唇の内側から発色しているような印象になります。

唇のpHや水分量、温度条件などに影響されて、それぞれ微妙に違った色に発色する特長もあります。

リップティントとしての機能のままリップにもチークにも使える製品も出ています。

しかしその性質からクレンジングで落ちにくく、時間の経過とともに色が薄れるか唇の角層がはがれるまで待たないと完全に色を落とすことができません。それだけに無理に落とそうとすると、通常の口紅に比べて唇の皮膚に対する刺激になるともいえます。

〇リップティントはどこから?
リップティントは韓国コスメとして日本ではよく知られるようになりましたが、もともとはサンフランシスコ発のブランドであるBenefit Cosmetics(ベネフィット コスメティックス)が1977年にバラの抽出液で作ったベネティントが始まりと言われています。

コスメコンシェルジュから一言

リップティントは、韓国コスメの1つとしてとして日本で知られることになりました。現在は液状タイプだけでなくリップスティックタイプやパックタイプなどが開発され、日本にも輸出されています。パックタイプとは厚めに塗布し、表面が乾いてからはがすと唇に色のみ残っているというもので、ティントパックやリップタトゥーとも呼ばれます。

唇が若干染まり色が落ちにくい口紅は日本にも以前からありました。しかし韓国コスメによって広く知られるようになったリップティント以上の染色効果がなかったのは、当時は市場ニーズがなかったとか技術的な問題だとかいうより、薬事法より厳しい各化粧品メーカーの社内基準による制限のためだと思います。

しかし韓国コスメによって人気が出たことにより、日本のメーカーも工夫してリップティントを発売するようになったのではないでしょうか。ただし、ティントというのに定義はありません。染料メインによる刺激をなくすため、日本のメーカーの製品には名称にティントと付けても染料の配合をできる限り抑え、他の工夫でティントリップのような発色性やロングラスティング効果を付与していると思われる製品が多いです。

また「ティンテッドモイスチャーライザー」や「ティント乳液」などと呼ばれる乳液ともクリームファンデーションとも言えるアイテムが流行した時期があります(1990年台後半~2000年台半ば)。化粧下地や今でいうBBクリームに似たアイテムです。
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