アウトオブブランド
 
用語解説
アウトオブブランドとは
アウトオブブランドとは、母体企業の名を冠さず独自で展開するブランドのこと。
母体企業の名前を出さす、母体企業とはイメージや特色などを変えて展開するブランドのこと。母体企業の名前は通常、商品やパンフレットなどに出ることがなく、消費者には母体企業のことがわからないことが多い。
「アウトオブ」「アウトオブ○○(○○は母体企業名)」とも呼ばれる。
アウトオブブランドの役割
アウトオブブランドは、母体となる会社のメーカー名や企業色は出さず、ブランド名を前面に出して展開することで、母体企業とは全く異なるイメージを市場や消費者にアピールするブランド戦略です。これにより、母体企業ではカバーできない市場に参入したり、母体企業では興味を持ってもらえない消費者との接点が生まれるため、グループ企業全体として多様化する化粧品の販売チャネルやお客様の嗜好に対応することができます。

化粧品の購入や使用において、アウトオブブランドの母体企業まで意識する消費者は多くないでしょう。実は同じ企業のブランドだ、ということはあまり知られません。アウトオブブランドはホームページも母体ブランドとは切り離されていることが一般的ですが、母体企業の事業計画や決算報告などを発表する場ではホームページを含め各種資料でグループ内ブランドを知ることができます。

例えば、あまり名が知られていない小さな通販ブランドの親会社が、実は技術力の優れた大手化粧品メーカーだとわかると、その大手化粧品メーカーを好まない消費者の中には、その事実を知ったことでその通販ブランドから離れてしまう可能性もありますが、逆にそれまで好まなかった大手化粧品メーカーに対するイメージが好転することもあります。

アウトオブブランドは、研究部門や製造工場が母体企業と同じ場合もあれば、完全に母体企業と切り離されている場合もあります。日本の化粧品メーカーは、研究開発や安全性などの品質基準等は母体企業で行ないながら、別会社(子会社)として独立採算をしていることが多いようです。別会社(子会社)が製造販売業を取得するため、商品への製造販売元表示には別会社名を表示することになり、母体企業名は一切商品周りに出ることはありません。

コスメコンシェルジュより一言

アウトオブブランドは「覆面ブランド」という表現をされることもあり、ネガティブなイメージを持たれがちですが、正当なビジネスやマーケティングの手法であり、自社で生み出したり、M&Aによって自社に仲間入れしたりしていくことで、ブランドが増えます。

よく知られたアウトオブブランドとしては、資生堂の草花木果(2017年他社へ売却という形で資生堂グループから外れています)やエチュセ、イプサ、NARS、花王のRMK、SUQQU、モルトンブラウン(RMKとSUQQUはカネボウ時代から)、コーセーのジルスチュアート、Awake、アルビオンのアナスイ、ポール&ジョーなどがあります。
どのブランドも母体の親企業とはイメージや世界観、販売チャネル、価格帯などが異なる印象があるでしょう。

外資系でも、ロレアルのランコムやシュウウエムラ、メイベリン ニューヨーク、エスティーローダーのクリニークやオリジンズ、 クレーム ドゥ・ラ・メールなど数えきれません。しかし、これだけのグローバル企業となると、個々のブランドが大きい上に、世界中に複数の生産拠点を有するため、それぞれのブランドの本籍地(母体企業)、つまり何が何のアウトオブブランドなのかはもはや市場で気にされることはめったにありません。

アウトオブブランドは、品質や安全性の基準、技術や効能・効果などは母体企業と同レベルです。少なくても日本企業の場合は、通常、研究部門は母体企業と同じなので、母体企業と処方が似ている製品も多く、原料や材料調達もグループ全体としてなされるため、規模の小さなアウトオブブランドでも高品質でありながらプチプラと呼ばれる価格展開が可能なのです。

アウトオブブランドは、母体企業から距離をおいて商品企画や施策を行う傾向にあるため、母体企業には見られない特長的でユニークな世界観を持つブランドが多くあります。ある意味、長年の積み重ねで母体企業にしみついたイメージの殻を破ったブランドとも言えますね。

企業名よりもブランド名が前面に出ている現在、母体企業を気にする消費者は一昔前より少ないと思いますが、アウトオブブランドの母体企業を知ることは化粧品選択の際に一つの参考になるかもしれません。

(2015/02/19初回掲載、2017/08/01更新)
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