BBクリームについて BBクリームとは「Blemish Balm」の頭文字をとって付けられた名前です。Blemishはニキビ跡や肌の傷、Balmは軟膏の意味です。もともとはドイツ生まれで、皮膚科でピーリングの施術後の肌のために処方されていたクリームだと言われています。文字通り、炎症のある肌を落ち着かせるもので、美容医療が盛んな韓国でも施術後の肌を守り、炎症した状態をカバーする目的で使われていました。 韓国で、そのBlemish Balmをヒントに一般的な化粧品として開発され広まったものが現在のBBクリームです。施術後の炎症を抑えたり肌の再生を促す効果まではありませんが、スキンケア性が高く、1つで下地から日焼け止め、ファンデーションまでの機能があることが特長で、中には洗顔後のスキンケアまで兼ねると訴求する製品も見られます。 しかし、どういったものがBBクリームかという定義はなく、種類別名称も化粧下地やファンデーションなどメーカーや商品によってまちまちです。さらに、BBクリームは、CC・BC・DDクリームなどに広がっています。 |
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コスメコンシェルジュからひと言 〇韓国コスメ流行の先駆者的アイテム韓国のBBクリームは、韓国コスメを日本に定着させるきっかけとなったと言えるでしょう。BBクリームは2008年のブームに留まらず、その後もベースメイクの1カテゴリーとして定着しました。以降、日本はもちろん海外の様々な化粧品メーカーがBBクリームを発売するようになりましたし、日本はもちろんグローバル市場で韓国化粧品の認知度アップにつながりました。 〇BBからCC、BC、DDへ 2012年あたりからはBBクリームの進化系と言われる「CCクリーム」が登場し、その後は「BCクリーム」や「DDクリーム」など様々な類似商品が出てきました。BBクリーム自体がメーカーやブランドによって定義が異なるのと同様、どういったものがBCかCCかといった決まりはありません。 Bはblemish balmやbase、CはColor ControlやCorrection、Dは Daily DefenseやDynamicなどの頭文字をとっているケースが多く、下地から日焼け止め、ファンデーションまでのオールインワンクリームという共通機能に加え、Bは気になる部分をカバーする、Cは色調補正して肌を明るく見せる、Dは紫外線などの悪影響から肌を守るという点をより強調している傾向です。 ただし、メーカーそれぞれのアイディアで差別化しているため、BBかCCかと言うより実際に試した上で、好みや目的に合うものを選ぶことが大切です。 〇ZZクリーム? 2014年あたりからZZクリームも見られるようになりました。韓国コスメではありませんが(中国の製薬会社)ブランド名を取ってZZ、韓国コスメからはBB、CC、DDを兼ね添えたZ世代というコンセプトからZZとする製品(ZZ creamなど)が見られます。酸化亜鉛の英語名からZを取る例もあります。中には化粧品の枠を超えた製品やBBクリームの基本概念とは全く別のコンセプトの製品もあります。 〇実はもっと前からあった? BBクリームのようなコスメが今までになかったかというと、それが違うのです。1990年代後半には、ティント乳液と呼ばれる製品が流行しました。現在のBBクリームが乳液状になったようなものです。 それは、一見リキッドファンデーションのようですが、スキンケア効果が高く、名称も「乳液」や「モイスチャーライザー」と付けられ、下地や日焼け止め、ファンデーションの機能を兼ね添えた製品でした。当時は素肌のような仕上がりが求められ、ティント乳液のカバー力はBBクリームより若干下がりますが、位置づけとしては現在のBBクリームと同じです。 一つで簡単に、肌を保湿し、紫外線から肌を守り、肌をより美しく見せたいというニーズは以前からあったのですね。 〇根っこは同じ? 処方の点では、BBクリームはそれと同剤型のリキッドファンデーションやクリームファンデーションとほぼ同じといっても過言ではないかもしれません。特長として、BBクリームはカバー力や仕上がりより、スキンケア性や使用感触を重視しているという点でファンデーションと差別化しています。 BBクリームの企画開発にあたっては、例えば、従来のクリームファンデーションのカバー力や油分量を低く(少なく)し、スキンケアをしているような使用感触を目指した調整をしたり、同じように日焼け止めの使用性やカバー力、塗布色を調整したりするというように、クリームファンデーションや日焼け止めを出発とすることがよくあります。 |