無添加【ムテンカ】
 
用語解説
無添加とは
ある特定の成分をその製品に配合していないこと
「無添加」の表現においては、それが製品の安全性を保証するかのようなキャッチコピーであってはいけない、添加していない成分名を表記しなければならない等、様々なルールがあるので注意が必要。
もっと詳しい「無添加」
「無添加」とは文字通り添加していない、つまりその化粧品にある成分を配合していないということです。
添加していないものは何であるべき、何を添加していなければ無添加になる、といった決まりはありません。単に何かが未含有ということなので「無配合」「不使用」「○○フリー」「ノン○○」などの表現も同じことです。

また、2001年の薬事法改定以前の表示指定成分を配合していないことを現在も無添加と表現していることがよくあります。表示指定成分制度があった時代、表示指定成分を使わずにつくられた化粧品において「無添加」と表現したことが消費者に受け入れられました。ここでの「無添加」は表示指定成分を配合していないという意味でしたが、表示指定成分がアレルギーなどの皮膚トラブルを起こす可能性が高いと指定されていただけに、それらが未含有なことによって肌に優しく安全というイメージが定着することになりました。その名残りで今も表示指定成分無配合の製品に「無添加」表現が見られることがありますが、2001年の薬事法改正によって表示指定成分の考え方がなくなっている現在においては、それは「旧表示指定成分無添加」ということになります。

現在は表示規制が一層厳しくなり何が無添加なのかを記載しなければなりません。「無添加」「無添加化粧品」といった言葉だけを独り歩きさせてはいけません。
また製品特性から考えて当然配合するはずのない成分や配合禁止成分を配合していないことを「無添加」と表現したり(例;ホルマリン無配合)、配合しているにも関わらず一般的に認識されている目的とは異なるからと言って「無添加」表現したり(例;一般的に防腐剤として知られているパラベンを防腐剤目的ではなく安定化剤目的で配合しているため「防腐剤無添加」と表現すること)、「無添加」をキャッチコピーや製品名に使用したりすることもできません。

そして「無添加」表現に限らず表示の原則とも言えますが、「無添加」表現によってその成分を配合した他製品を誹謗中傷したり(例;この製品は肌に刺激となる××無配合です)、その製品の安全性を保証したり(例;××無添加なので安心してお使いいただけます)、最上級表現を用いたり(例;100% ××無添加、完全××フリー)もしてはいけません。

本来は未含有でなければならないためキャリーオーバーで含まれている場合には「無添加」の表現はできないことになりますが、現状ではキャリーオーバー成分には全成分表示義務がないので、それでも無添加と表現するか、だから無添加と表現しないかはその会社の方針に委ねられてしまいます。

コスメコンシェルジュから一言

〇〇フリー、〇〇無配合などの無添加表現は、「一般的によく使われる〇〇成分をこの製品には配合していませんよ」ということなので、消費者が商品選択をする際の参考情報の一つです。ですから、その〇〇成分が肌に刺激になる人、何らかの理由でその〇〇成分を好まない人にとっては「〇〇無添加」等の表示がされていると商品を選びやすくなるでしょう。

しかし残念ながら「無添加」の言葉が独り歩きし、何の成分が無添加なのかがわからなかったり、その成分を配合している他の化粧品があたかも悪いものであるように思えたりすることがあります。「無添加」イコール「肌や環境に悪いものが一切配合されていないから安全・安心」というイメージまでもが定着し、さらには「無添加」イコール「自然派やオーガニック」といった解釈までされることがあるようですがそれらは誤りです。

「無添加化粧品」という表現もよく見られますね。繰り返しますが「無添加」とは一般的によく配合されるある成分を配合していないということです。何が無添加の化粧品なのかを消費者にわかりやすく伝えなければならないのです。「〇〇無添加」といったように無配合成分名に続けて表記したり、「無添加*」のように*をつけて注意を喚起し付近の目立つスペースに改めて何が無添加なのかを記載したりなど消費者にわかりやすく正しく伝わる対応がなくてはなりません。

しかし「旧表示指定成分無添加」という表現は現状にはそぐわなくなってきていると思います。そもそも旧表示指定成分とは何ぞや?から説明が必要でしょうし、旧表示指定成分だけが肌に刺激になりうるわけではありませんし、旧表示指定成分でも今では安全性が非常に高められているものもあるからです。

「無添加」「無添加化粧品」には定義がない、無添加の基準がメーカーによってまちまち、メーカーの判断に任されている等とよく言われますが既述のようにルールがあるのです。「無添加」という言葉だけで判断せず、何が無添加なのかを見極めることが大切です。
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