販売名【ハンバイメイ】
 
用語解説
販売名とは
販売名とは、製造販売届出書で届けた名称のこと。
化粧品の販売名について
〇販売名(申請名称、届出名称、薬事名称、法律上の名称)
化粧品の販売名は法定表示の一つであり、薬機法薬事法)で表示義務が定められている「製品の名称」というのはこの販売名のことです。販売名は「化粧品製造販売届書」で届出した名称、あるいは医薬部外品の場合は承認を受けるために「医薬部外品製造販売承認申請書」に記入した名称であることから、「申請名称」「届出名称」「承認名称」「薬事名称」「法律上の名称」などと呼ばれることもあります。販売名は人でいうと「戸籍上の名前」「本名」と例えられることもあります。

〇販売名と商品名称が異なるケース
消費者が商品名だと認識するのは、通常、容器正面に表示されていたり、テレビ宣伝やホームページ、ポスターなどで見聞きする、メーカーが全面的に露出させている名前です。化粧品メーカー内でも、その名称の方を「商品名称」や「正式名称」として扱うことも多いです。それにも関わらず、その商品名称は正式に届けられたものではない、つまり販売名ではない場合があります。この場合、広く消費者に認知されている商品名称は「愛称」や「ニックネーム」「マーケティング上の名称」などと呼ばれることがあります。そして人でいうと「芸名」「あだ名」と例えらえることもあります。

〇販売名とは別に商品名が作られる理由
やむを得ず、届出をしたあるいは承認を受けた販売名とは異なる商品名称(消費者が認識する名称、愛称、ニックネーム)を用いることがあります。その理由として、主にマーケティング上の都合、商品開発スケジュールの影響があります。製造販売業者は製造販売を開始する前に、品目毎に「製造販売届」をする必要があります。その届け出の項目には販売名が含まれますが、商品名称決定には商標などの問題から時間がかかり、届け出の段階ではまだ名称が決まらない場合があります。また商品名称は、製品のコンセプトや効能効果などのイメージとマッチングすることが重要なため、消費者調査や有用性試験などを実施することがあり、その結果を踏まえて最終決定するには時間を有する場合もあります。

このように製造販売届けをする段階では、化粧品の名称がまだ決まっていない場合は、別の名称を販売名として届けることになり、その結果、「販売名」と「マーケティング上、メーカーが商品名として扱い消費者もそれが商品名だと認識する名前」の2種類が存在するようになります。この場合、販売名としてはシンプルでマーケティング要素が加味されない名称で届けることが一般的です。

あるいは、販売名は、製造販売届け以降の各種手続きや管理で製品を特定する名称として用いられることから、できるだけ短くシンプルな名称にした方が便利という判断による場合もあります。スケジュール的には商品名称決定が届出や承認に間に合っているものの、製造や出荷などの記録、管理をするための名称としては別の名称を用いることが好ましいと判断した場合などです。

〇販売名の表示の仕方
販売名は、商品パッケージの裏面などで商品名称(愛称)とは別に表示されます。その際「販売名」という表記に続けて表示する必要があります。商品名というと、その愛称の方を指すことが通常であるため、プレスリリースなどでも正式な商品名としては愛称を記載し、それに続けてカッコ内に販売名を記載するのが一般的です。

例えば、ある新製品で「コスメコンシェル おしゃれリップカラー」があるとします。販売名が「コスメ口紅」の場合、パッケージ前面や広告などで目立って表示するのは「コスメコンシェル おしゃれリップカラー」ですが、パッケージ裏面や広告物などでは「コスメコンシェル おしゃれリップカラー」に加え、「販売名 コスメ口紅」も表示します。文章の場合は、「コスメコンシェル おしゃれリップカラー(販売名:コスメ口紅)を発売します」といったように書きます。販売名は、スペースや句読点、文字の種類(漢字か平仮名か等)も関係します。

〇販売名の付け方ルール
薬事法では、誇大広告を次のように規制しています。(薬事法第66条1項目抜粋)
「何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。」

つまり、効能効果の特長文と同様に名称についても虚偽や誇大な表現はしてはなりません。名前だからと好き勝手に決めることはできず、NG名称は製造販売届出を受け付けてもらえません。具体的には、事実に反する嘘や大げさな表現、消費者に誤解や混乱を与える表現、他社の商標侵害、ローマ字のみの使用は認められません。アルファベットや数字、記号が不適切に多いものは認められません。特定の成分名の使用、「〇〇専用」の表現は特定の場合を除き原則的に禁止されています。効能効果や安全性の保証表現の禁止、効能効果や安全性についての最大級表現の禁止は、販売名においても同じことです。

〇販売名の付け方に関する留意事項参考情報
2005年3月31日付厚生労働省の通知「改正薬事法の施行に伴う製造販売の承認を要しない医薬品等の取扱い等について」
東京都健康安全研究センター公式サイト「化粧品の販売名について(製造販売届書の提出前にご確認ください)」
配合成分名称を販売名に用いる場合の規則は、化粧品の表示に関する公正競争規約施行規則に記載されているものがわかりやすいです。
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