ラメ【lamé(フランス語)、glitter】
 
用語解説
ラメとは
ラメとは、キラキラした点在感ある輝きを放つ原料のこと。ラメ剤やラメ材ともいい、グリッターと呼ばれることも多い。
ラメについて
○ラメとは
ラメは、金属表面に光が反射したようなキラキラとした輝きを演出します。化粧品原料としてはラメ剤とも呼びます。ラメは、ネイルカラー口紅、アイシャドーなどのポイントメイク製品によく使われます。また、コンパクトケースなどの容器加飾にもよく使われます。

○ラメとパール剤の違い
ラメとパール剤はその輝き方が異なります。パール剤が混ぜ込まれたものに溶け込むようにして真珠のような虹色の輝きを発するのに対し、ラメは混ぜ込まれたものの中で点在してキラキラ光ることが特長です。
ラメはパール剤よりも大きく、粒感が感じられ、丸や四角、短冊形からハートや星などの形をしたものまで色々あります。大きさは、パール剤が数十μm程度なのに対し、ラメは百μm程度から3000μm(3mm)以上のものまであります。
*μm はマイクロメートル(ミクロン)でミリメートルの1000分の1。1μm=0.001mm。

このように、ラメとパール剤では光り方や大きさに違いがありますが、企業やブランドによって区別の仕方が異なる場合があります。

○素材について
ラメは、樹脂のフィルムやアルミニウムを多層にして加工した素材です。樹脂のフィルムをベースにしたものが多く、屈折率の異なる複数の樹脂を積層させた構造です。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)とポリメチルメタクリレート(PMMA)とを積層させたり、PETにアルミニウムを蒸着してさらにPET加工したりします。素材の種類と積層の仕方により、パール感や金属感など様々な光沢を発するラメができます。

○ラメの成分表示
ラメも他の化粧品原料と同じように成分表示をします。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)とポリメチルメタクリレート(PMMA)によるラメでは、表示名称は(PET/ポリメタクリル酸メチル)ラミネート、INCI名は Polyethylene Terephthalate (and) Polymethyl Methacrylate のようになっています。

○ラメとグリッター、ホログラム
このページで説明している、いわゆる原料としてのラメはフランス語の「lamé」からきています。フランス語で「lamé」は金属片や箔などを意味し、そこから金や銀などによってキラキラ光る糸やそれによる織物の意味も持ち合わせています。
しかし、英語の「lame」はフランス語由来としてキラキラ光る織物の意味もありますが、主にはそれとはまったく異なる意味(足が不自由な、ダサい)を持つ単語です。いわゆる原料としてのラメは「lame」ではなく「glitter」と呼ぶことの方が一般的です。
そのため日本ではラメをグリッターと表現することも少なくありません。またラメにはホログラム加工を施した印刷物のようなきらめきがあることから、ホログラムと呼ばれることもあります。

コスメコンシェルジュから一言

ラメがたくさん入った化粧品、特に外観からしてキラキラしたポイントメイク製品やパッケージには、飾りたくなるほど綺麗で可愛いものがたくさんあります。それらは見るたびに気分も上がりますが、化粧品として実際に使っていただくためには、ラメを用いた製品ならではの検討ポイントがいくつかあります。

マニキュアでいくつか例をあげると、液体にまんべんなくラメを分散させるため、撹拌球を入れ、使用前に容器を軽く振ることを推奨することは一般的だと思います。2つ目に、容器の外から見ても満足できるキラキラ感を維持しながらも、短冊形や星形などの大き目のラメでもブラシですくいやすいこと。3つ目に、液体とラメがバランスよく減っていくこと。これはなかなか難しいのですが、どのレベルでよしとするか、といった具合です。

また、ラメは沈みやすいため、アイシャドウに配合したり、コンパクト容器の着色剤にラメを混ぜこんだりした場合、思ったほどキラキラ感が出ないことがよくあります。ラメが底の方へ沈んでしまうのです。何度も調整を重ねた思い出があります。

1990年代後半から2000年代半ばまでラメメイクが大ヒットしました。グリッターメイクとも呼ばれました。キラキラというよりはギラギラしていました。当時の日本のマーケットでは、メイクだけでなく服装やアクセサリーなどファッション全体で、キラキラムーブメントとなっていましたが、それをけん引していたのはラメ入りのメイクアップ製品だったのではないでしょうか。

とはいえ、その当時、海外ではもっと大きいラメをもっとたくさん使った製品やメイクも見られました。それに比べると、日本はラメ感が低く、メーカーによってはポイントメイク製品でのラメ使用には消極的な姿勢もうかがえました。それはなぜか。目に入る危険性を考慮していることは思いつく方も多いと思いますが、実はそれだけではなく落とすときのことまで考えた対応でした。

リムーバーでふき取る際、ラメによって爪や肌、髪などを傷つけるリスクを避けるためです。簡単に落ちて目に入っては危険ですから密着力が必要です。しかし密着力が高まると落としにくくなるためメイクオフでは擦りがちです。特に瞼の皮膚は他の部分より薄いので、ダメージを受けやすい部分です。

そのため、製品としてはラメの素材や大きさ、量を慎重に検討し、パール剤を用いることで輝きを補い、簡単には落ちない設計としながら、使用方法にも工夫が求められました。より安全性を高めたメイク方法や落とし方を考え、それをお客様にいかに伝えるかということです。

キラキラ感を付与できるラメは化粧品らしい素材ですが、ラメならではの一筋縄ではいかない要素が多々あります。私にとってはキラキラした裏側でキラキラを支えるためにやっていたことが非常に思い出に残っており、化粧品の安全性に関して目からうろこが落ちる思いをした忘れられない素材でもあります。
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