薬事監査証明【ヤクジカンサショウメイ】
 
用語解説
薬事監査証明とは
薬事監査証明とは、承認等を受けない、あるいは製造販売の届出をしない化粧品や医薬品などの輸入を地方厚生局に認めてもらうこと、あるいはその証明書のこと。認められなければ日本国内に持ち込むことができない。認められれば申請書類に厚生労働大臣(厚生局長)の印が押され、輸入許可が得られたことになる。
略して「薬監証明」と呼ぶことの方が一般的。「薬監」と呼ぶこともある。

2020年(令和2年)9月1日の医薬品医療機器等法の改正により、それまで公文書として通知扱いだった薬事監査証明は法律として厳格化された。それに伴い、「薬事監査証明」は「輸入確認証」と呼ばれるようになり、申請書の内容が若干変更されている。
そのため「旧薬事監査証明」や「旧薬監証明」とも呼ばれる。
薬事監査証明について
〇薬事監査証明の必要性
化粧品や医薬品などを海外から輸入して販売する場合、国内で流通する製品と同じように承認や許可、登録が必要です。しかし国内で販売しない製品はそういった承認などを受けていません。そこで、国内で未承認の製品が流通すること、さらにはそれによる健康被害などの問題を防ぐための対応でもあります。
そこで、輸入しようとしている化粧品や医薬品などの使用目的を提示して販売や貸与目的でないことを証明し、輸入を認めてもらう手続きが薬監証明です。基本的に輸入者自身が使用することが目的である場合に限ります。

○薬事監査証明が不要な例
化粧品や医薬品などが、輸入者自身が個人使用する場合、医師や歯科医師が患者の治療に用いるためかつ規定数量以内の場合、医師や歯科医師が自身が行う臨床試験に用いる場合などは、特例として薬事監査証明書の交付は免除されます。規定数量を超えるなど、条件を満たさな場合は、薬事監査証明が必要です。
化粧品の個人輸入は、少量ならば薬事監査証明を必要とせず通関できることになります。しかし、数量・容量には制限があり、さらに海外では化粧品でも日本では医薬品に該当する場合もあるため注意が必要です。

○薬事監査証明の交付がなければ通関できない例
薬事監査証明が必要になる例として、業務上の使用があります。業務上、企業が輸入することは個人輸入に該当しないため、数量が規定数以内であっても薬事監査証明が必要です。使用目的に問題がない(社内見本や展示などのために使うのであり販売や貸与はしない)と認められ、薬事監査証明を交付してもらわない限り、日本国内に持ち込むことができません。

例えば、日本の企業でも海外でのみ生産し販売していることがあります。この場合、本社のある日本国内では、その製品を取り寄せたり、購入したりできないため逆輸入することになります。研究や生産、商品企画開発、広報など様々な部門では、中間製品試験や最終品を確認や撮影、展示、社内見本といった様々な目的でで海外の工場や販売会社などから取り寄せる都度、薬事監査証明の交付を受けることになります。

企業が業務として競合品研究のために、日本では販売されていない他社製品を海外から取り寄せる場合も薬事監査証明の交付がなければ通関できず、買った商品が社内に届かないことになります。また、宣伝のため海外の展示会出展用に輸出したまだ未承認の製品を、展示会終了後に返送する場合は再輸入扱いになるため薬事監査証明が必要です。

また、化粧品の個人輸入において、この薬事監査証明を受ければ規定数を超えて取り寄せられるのかというと、そうではありません。化粧品は、医薬品のように治療目的で使用されるものではないため、医師による使用指示書を発行してもらうことはありません。規定数を超えた輸入の許可を得るためには、使用指示書が入手できないため、規定する数量を超えた輸入は実質認められないことになります。

○薬事監査証明の手続きについて
通常、税関や通関業者から手続きが必要な旨の連絡がきます。税関にとめられている製品を受け取るには薬事監査証明の交付が必要です。厚生労働省指定の「輸入報告書」「商品説明書」などに必要事項を記入し、荷物のINVOICEやAWBなどと併せて該当する地方厚生局に提出します。郵送でもいいですし、直接出向いた場合は、問題ないと認められれば通常その場で承認されます。承認されると、「輸入報告書」に厚生労働省の確認済み印を押してくれます。この押印済みの用紙を薬事監査証明書と呼ぶことがあり、この書類なければ通関できません。

〇参考資料:化粧品や医薬品などの輸入に関しておよび手続きについて
「薬事監査証明」でなく「輸入確認」や「輸入確認証」と改正された表現になっています。

・関東信越厚生局「医薬品等の輸入監視等について」
・関東信越厚生局「医薬品等の輸入手続きについて」
使用目的ごとの必要書類や書類の記入見本があります。
・関東信越厚生局「医薬品等の輸入について」
情報がわかりやすくまとめられています。
・厚生労働省 事務連絡「医薬品等輸入手続質疑応答集(Q&A)について」H28年11月17日
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