コスメコンシェルジュから一言 美白は英語でwhitening(ホワイトニング)と言いますが、国・地域によっては英語で美白化粧品を語る際、whitening(ホワイトニング)よりbrightening(ブライトニング)の言葉を使った方が化粧品らしさとその効能効果のイメージが上手く伝わることがあります。〇美白カテゴリーが確立されている国・地域: 日本のように美白カテゴリーが医薬部外品のような分類をされ、かつニーズも非常に高いのは、中国、台湾、韓国など主に東アジア地域です。 |
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英語を使った表現ですが、英語圏でホワイトニングと言ってもこちらがイメージするようには通じません。多くの英語圏や欧州には肌の美白の概念はないに等しく、「whitening(ホワイトニング)」の言葉から連想されるのはブリーチであり、美容に関することでも歯のホワイトニングです。 ホワイトニングエマルジョンという商品があれば、美白の概念を知らない人にとっては、肌を漂白するエマルジョンをイメージし、それは決して健康的な肌でないばかりか、そのエマルジョンを恐ろしく感じるケースさえあります。あるいは、化粧品や美容に詳しい人の中では、知識としてアジアの状況を知っているという状態です。 〇欧米ではブライトニング(brightening)になるわけ: しかし、欧米でもくすんだ肌やシミ、老人性色素斑などの肌悩みはあります。つまり、肌に対する「美白(ホワイトニング)」という言葉になじみがないだけ。日本の化粧品会社が、日本では医薬部外品の美白化粧品を海外、特に欧米でブライトニング(brightening)と表現して展開する理由の一つです。ブライトニングという表現が一番うまく伝わるからです。表現だけでなく、処方も日本とまったく同じというわけではありません。 さらに、多くの場合、「whitening(ホワイトニング)」は化粧品を逸脱した表現となります。そこで、医薬部外品のような中間カテゴリーがある日本、台湾、中国、韓国などでは美白ニーズも高いため各国・地域の規制に対応した処方や手続きで医薬部外品相当で発売することが一般的です。しかし、ニーズが低い国ではわざわざ時間や費用をかけ、ハードルの高い申請をするほど「ホワイトニング」の言葉に執着することはしないでしょう。中間カテゴリーがなく、化粧品か医薬品の二極化になる場合は、医薬品(OTC)となる可能性が高いのでなおさらです。結果的に、化粧品の範囲内で訴求すべくブライトニング(brightening)となるという経緯もあります。 同じ商品でも対象国によってホワイトニングとブライトニングに表現を分ける場合もあれば、グローバル統一で展開する場合にはホワイトニングではなくブライトニングの表現で日本でも展開するケースがあります。 〇海外状況: 当サイト管理者が海外でインタビュー調査を行った経験では、欧米やオセアニアの女性は、商品名やキャッチコピーなどに「ホワイトニング」とあると、その化粧品が何者なのかがよくわからないようでした。しかし商品説明(メラニンの生成を抑えて日やけによるシミを防ぐ等)を伝えると使ってみたいという声がぐんとアップしたものです。それでも、ソバカスはチャーミング、シミが紫外線のせいだと思えば皮膚がん検診として医者にかかる、きれいな日焼けは一種のステータスなど、嗜好や意識が日本(東アジア)と全く異なるため、美白カテゴリーを確立させるほどのニーズはありません。欧米の化粧品会社では、シミ対応はアンチエイジングカテゴリーに分類し、くすみ対応は保湿カテゴリーで対応することが多いのもうなずけます。 また、タイやインドネシアなどでは、メラニンの生成を抑えて日やけによるシミ・ソバカスを防ぐ効能効果に加え、本来の肌より物理的に若干白く演出したいというニーズがあり、サンスクリーンは多少肌に白く残る仕上がりが好まれることもあります。 |