TEWLとは TEWLとは、表皮からの水分が蒸散すること、あるいはその蒸散量のこと。身体の水分が皮膚を通じて蒸散する現象を指したり、その蒸散量のことを指したりし、経皮水分蒸散(量)や経表皮水分蒸散(量)、経表皮水分損失(量)、角層水分蒸散(量)などともいう。 transepidermal water lossのから。TEWLの読み方としては、アルファベットを1文字ずつ読むことが一般的だが、英語ではTOOLと発音されることもあるため、そこから「トゥール」と読む場合もある。 |
||
TEWLについて TEWLは、表皮からの水分損失のことです。表皮の角層を介した水分の蒸散であって、体温上昇や運動などにより汗腺から出ていく汗は含みません。TEWLは、膚バリア機能の状態を確認する指標としてよく測定されます。TEWLは、皮膚のバリア機能が損なわれた時に、より発生します。過剰に水分が大気中に蒸散し、その結果、皮膚の乾燥や炎症が起こります。アトピー性皮膚炎や接触性皮膚炎、乾癬などの肌症状があると、TEWLは一般的な正常値よりも大きな数値を示し、皮膚のバリア機能が低いことがうかがえます。同じように、普段の生活において肌の乾燥やかゆみを感じる場合はバリア機能の低下が考えられますし、肌荒れを起こすとTEWLは高まります。 例えば保湿クリームの連用テストにおいて、連用前と一定期間連用した後のTEWLの測定値を比較することで、その保湿クリームにバリア機能を高める効能効果があるかどうかを判断したり、精製水と特定の成分を塗布した肌を比較して、特定の成分を塗布した部分のTEWLが上昇していたら、その成分が皮膚の炎症を引き起こしバリア機能を低下させると考えたりします。 TEWLの測定には様々な測定機器がありますが、その多くは、TEWLの測定値を 8g/(m2・h)といったように、1m2あたり、かつ1時間あたりの水分重量を示します。TEWLは、発汗などの被検者固有の状態やテスト室の温度、湿度、換気などの環境要因に影響される可能性があるため注意が必要です。 TEWLは、測定部位によって異なり、角層細胞の大きさに反比例します。角層細胞が小さい部位はTEWLが高くなります。 TEWLは自覚できずに水分が失われる状態であるため、不感蒸泄とも呼ばれますが、不感蒸泄と表現した場合、呼吸時の呼気に含まれる水分蒸散も含んで表現している場合と皮膚からの水分蒸散のみを指している場合があります。TEWLは元々「transepidermal water loss」を略したもので、transepidermalは trans-と表皮を意味するepidermalの組合せです。 |