in vitro【インビトロ】
 
用語解説
in vitroとは
in vitroとは、試験管やシャーレなどで主に培養細胞を用いた試験や実験をすること。
in vitro試験、in vitroテスト、培養細胞試験、細胞試験などともよく呼ばれる。ビトロ、ビトロ試験とも呼ばれる。
in vitro(インビトロ)について
in vitroやin vivo、ex vivoなどは試験環境を大まかに説明した言葉です。in vitroとはラテン語で「試験管内で」「ガラスの中で」という意味です。プレスリリースや雑誌などで実験結果を示した図表や説明のそばに「in vitro」と表示されている場合、その実験は in vitroで行ったという意味です。このように、試験で得られた反応や有用性データなどは、生体内でのことなのか(in vivo)、試験管内でのことなのか(in vitro)を区別して示します。そのため、in vivoは生体試験、in vitroは試験管試験と説明されることもあります。

in vitroは、試験管やペトリ皿などを用いて行いますが、実際に生きている細胞、あるいは組織や微生物を使った試験や実験です。実験条件を厳密に定め、制御した環境で、培養細胞を用い、細胞の状態を観察したり、原料の毒性を評価したりします。試験条件が人為的にコントロールされていないin vivoに対し、in vitroは人為的にコントロールされた環境での試験です。

in vitroでは、研究者による新技術の発見やメカニズムの解明、開発初期段階での原料の厳選、薬剤が目的の作用を果たしているかの確認など、様々なことが行なわれます。例えば、ペトリ皿内で三次元培養皮膚モデル有効成分製剤にさらし、どのような反応を示すかを評価します。メラノサイトを含む三次元培養皮膚モデル美白薬剤を浸透させたらどの程度メラノサイトの活性が抑制できるか、同じようにして目的の成分がコラーゲン合成能力があるか、チロシナーゼの活性を抑制する作用があるかといった確認もできます。また原料の皮膚刺激性の確認については、特に新成分の場合は、最初にin vitroで細胞に対する毒性を確認する必要があり、in vitroで問題なければin vivo試験となります。

試験管や細胞などを用いることがなくても、ヒトで試験しないものはin vitroと通常表現されます。例えばファンデーションを肌ではなく専用プレートに塗布し、そのカバー力を観察するような試験があります。

in vitro、in vivo、ex vivoなど、どの試験タイプを取るかは研究段階や目的によります。特定の部分におけるより深い作用の確認が必要な場合にin vitroでの試験が必要となり、実際、化粧品メーカーや原料メーカーなどの研究開発現場では、in vitroによって新発見や新技術の誕生があります。また、in vitroはヒトで実証する前段階、あるいは研究の初期段階で行う試験というだけでなく、異なる条件(民族や年齢など)や異なる肌タイプが同一環境で同時にテストを行えるという利点もあります。

in vitroと言っても、人や企業、分野によって指している状況が異る場合があります。ex vivoも含んでin vitroと呼ぶことも多いです。in vitroはex vivo試験とともに、動物実験の代替という重要な役割があるため、今後ますます試験法の開発が進むと思われます。
in vitroとex vivo
〇in vitroとex vivoの区別
in vitroに似たものにex vivoがあります。in vitroもex vivoも生体外で人工的な環境で行われるため、表面的にはとても類似あるいは重複して見えますが、2つは異なるとされます。

しかし人や企業、分野によって指している状況が異なります。ex vivo も in vitroも区別せずにin vitroとまとめて表現したり、同じ試験をex vivoと判断する人、in vivoと判断する人がいたり、業界によっては体から摘出した細胞に処置を施してまたもとの体に戻す場合に限ってex vivoと表現したりなど様々です。そのため試験環境に関しては、in vitroといった表記だけでなく、データや文面をよく読んで解釈することが必要です。

〇in vitroとex vivoの大きな違い
in vitroでは、主に培養し貯蔵した細胞モデルを用いて試験しますが、ex vivoでは試験に使うモデルを生体から摘出します。そのためex vivoの方がin vitroより生体に近く、ex vivoは現実に近い状態で試験できるという考えもあります。
in vitroでは試験管やシャーレなどの中で試験が行われますが、ex vivoについては単に文字通り生体の外で行われることを意味しています。ex vivoでもin vitroのように「ガラス管内」で試験されることはありますが、だからと言って同義語ではないということです。

〇in vitroの特徴
in vitro試験は、線維芽細胞メラノサイト、ケラチノサイトなど特定の細胞に関し、より詳細な試験、評価が行えます。細胞モデルは、培養され、将来の再利用のために保管し、実験目的に応じて様々なモデルを何度でも作成したり修正したりできます。また、肌タイプや年齢、人種など幅広い試験対象を同時に試験できます。
しかし、皮膚バリア機能、毛包や汗腺などの付属器、血管など不十分であったり組み込まれていなかったりするため、人間の皮膚と完全に同じではありません。

〇ex vivoの特徴
ex vivo試験では、使用する細胞や組織は、人工的に作成されるのではなく、生体から直接摘出されたものになります。例えば、実験室でカットした人の髪の毛髪に対して行う試験があります。

皮膚の場合は、美容整形手術時の摘出皮膚を最小限の調整をしてモデルとして使用することがあります。場合によってはin vitro皮膚モデルより、人の皮膚をより正確に再現できます。毛包や皮膚組織のテストに有効で、成分や製剤の効果や経皮吸収、浸透などをin vivoアプローチに近い環境で試験できると考えられます。

海外では ex vivo試験は化粧品の各種試験において日本より一般的で、人で直接行うin vivo試験の前に予備試験としてex vivo試験を実施することがあります。in vitroは生物学的な複雑さの点でex vivoの簡易バージョン、in vitroテストとin vivoテストの中間がex vivoなどと言われることもあります。

代替法としてのin vitroとex vivo
in vitroとex vivoの重要な側面として、動物試験に代わる方法を提供するということがあります。2013年にEUで化粧品の動物実験が完全に禁止され、より多くの化粧品企業やブランドが安全性と有用性の試験にin vitroやex vivo試験を用いるようになりました。
動物はもちろん人を傷つけたり負担をかけることなく、実際の皮膚で試験を行うために開発はますます進むと考えられます。いずれは全ての動物実験に代わる方法となると思われ、特にex vivoは最良の方法と期待されています。

コスメコンシェルジュからひと言

in vitro の試験は、人為的に制御された環境で行われ、実際に人が使っているわけではありません。さらにin vivo の場合より結果がはっきり出ることもあり、in vivoでは有用性が見られなかったがin vitroでは有用性が確認できたということも珍しくありません。

そのため、どの試験環境による結果なのかを踏まえた判断は大切です。特に製剤のデータに関しては、一般消費者でも そのデータがin vivoによるものかin vitroによるものかを気にし、in vivoデータの方に価値を感じる傾向もあります。しかし、効能効果データが、in vitro によるデータだからといって、実際の人には全く効果が期待できないのかというと、それはまた違うと思います。
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