ブランドパーソナリティ【brand personality】
 
用語解説
ブランドパーソナリティとは
ブランドパーソナリティとは、ブランドを人に例えて感じる個性のこと。そのブランドを人に例えたら、どんなキャラクターか、どんな個性を持っているかということであり、ブランドを人格化し、意図的につける性格である。
ブランドパーソナリティについて
〇ブランドを人のように考える
ブランドパーソナリティとは「このブランドは人でいうとどんな性格か?」ということです。ブランドパーソナリティは、意図的にそのブランドに持たせる個性であり、ブランディングで最も重要とも言われます。

人が集まると、個性的な人は印象に残り、楽しいと感じたり興味を持った相手とは「また会いたい、仲良くなりたい」と思うものです。さらに、お互いにいい関係が築ければその後の付き合いも長くなります。しかし、自分とは合わないと感じた相手とは「もう会うことはない」と思うものですし、中にはまったく記憶に残らない人もいるでしょう。化粧品も同じです。多くのブランドがある中、選んでもらうために重要な個性がブランドパーソナリティです。

〇ブランドパーソナリティの重要性
ブランドパーソナリティの重要性は、競合他社と差別化し、より深いレベルで顧客とつながり、顧客のブランドへの忠誠心を刺激してブランドロイヤルティを高めることです。実際、製品に感じるブランドパーソナリティが自分に似ていると購入する可能性が高くなると言われています。企業は、ブランドパーソナリティを的確に表現することで最も出会いたい消費者(メインターゲット)の共感を得て、購買につなげることができます。

ブランドパーソナリティからブレずにブランド育成することで、新製品を発売し、パッケージリニューアルを行い、モデルを変えても、ブランドがそのブランドでいることができます。ブランドパーソナリティは、人の性格と同じで他者(企業方針や担当者、世の中の流行など)によって突然変わるものではありません。

〇ブランドパーソナリティ構築について
ブランドパーソナリティを構築する目的は、引き寄せたい消費者の共感を得られる、最も出会いたい消費者に近付いてもらえる性格をブランドに持たせることです。市場ニーズや競合他社との差別化、ターゲット層の特性などを考慮し、どんな性格であるべきか、社会や消費者にどんな性格だと感じさせたいかという観点で構築します。

話し方やその内容、振る舞い、服装や髪形、趣味などから他人の性格を感じ取るように、化粧品に対してもブランドパーソナリティを感じ取れる見え方や醸し出すイメージを創造します。それは、芸能事務所がタレントを売り出すためにヘアメイクや衣装、出演する番組、タレントの言動にまで関与し作り上げるのと似ています。

ブランドパーソナリティらしいブランドロゴやキャッチコピーを決めるだけでなく、それぞれの製品のコンセプト製品設計外装デザイン、起用するモデル、売り場装飾、ホームページや広告の雰囲気、使用する色など全てにおいて軸にブランドパーソナリティがあるからこそ、イメージに一貫性を持たせられます。

ブランドパーソナリティが的確に表現できて初めて、消費者は製品やサービスを通じてブランドパーソナリティを感じ、そのパーソナリティに共感し、親近感や憧れを抱き、信頼を寄せ、ずっと付き合っていきたいと思うようになります。特に化粧品は、使うこと・持っていること自体に幸福を感じるような心理的側面での満足感が大きな付加価値になります。

新しいブランドを立ち上げる時だけでなく、既存のブランドに対しても、対象層が自分にふさわしいと感じて選択するきっかけとなっているかを確認し、親密になった顧客を裏切らないようブランドパーソナリティを維持していくことが大切です。

コスメコンシェルジュからひと言

ブランドパーソナリティを設定することで、的確なイメージ発信ができ、消費者との距離が縮まります。同じ対象層に同じ商品・サービスを提供するブランドが他にあっても優先的に選ばれやすくなります。

具体的にどう設定していくかはそれぞれです。
例えば、20代前半の女性をメインターゲットとしたブランドAがここにあります。ブランドパーソナリティは「どんな時も明るく元気、等身大の自分を大事にしながら何事にも全力投球」。ブランドAはそのブランドパーソナリティ通りに振る舞うのです。

化粧品として、20代前半女性の皮膚生理や肌悩み、生活パターンなどに着目した効能効果やラインナップなどの特長があることは基本で、ブランド全体に影響するブランドパーソナリティに合わせたイメージ作りをするために、各方面の方向性やルールを決めます。

例えば、ブランドAなら優雅さよりもエネルギー溢れる躍動感、モノトーンよりカラフル、パステルカラーより目が覚めるようなビタミンカラー、それに呼応して成分もビタミン。モデルは本人のそばかすさえ生かしたナチュラルメイクで、大きく口を開けて笑っている。有名人のお洒落スナップより自分らしさを見つけられる情報を発信・・・

結果、消費者はブランドAの製品やサービス、広告を通じ、「どんな時も明るく元気、等身大の自分を大事にしながら何事にも全力投球」な世界観を体感します。そして、ブランドAを使えばハッピーになれる、自分に自信がもてる、頑張れるのような心理的効果を生み出し、ターゲット層の生活や悩みに寄り添う応援ブランドとして市場でのポジショニングを築きます。

ブランドパーソナリティを言語化して、それを表現するためのイメージ作りのルールを決めること、そしてブランディングに関わる全ての人でそれらを共有することで、製品やサービスを通じて選ばれやすい個性あるブランドに育てることができます。
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