パントン【PANTONE】
 
用語解説
パントンとは
パントンとは、アメリカのPantone社が色見本帳などで発表している色のこと。この色見本帳は、色を分類、提案、伝達、照合するためのツールとして世界で広く活用されている。パントーンともいう。
パントンについて
パントンは企業名ですが、通常パントンと言うと、パントン社が開発した色を意味したり、それらの色をまとめた色見本帳を指したりします。パントンには多くの色があり、新色も次々につくり出されていますが、それらを色見本帳という形にまとめることで、色を共通言語化したツールとして世界中で広く活用されています。

色は人によって感じ方が異なり、同じ色でも素材や印刷機によって色の出方が変わります。しかし、コーポレートカラーブランドロゴ、製品デザインなどにおいては、常に意図した色を再現する必要があります。また言葉では色の微妙なニュアンスを伝えられないこともあります。

そこで色を「パントンの何番」と決めることで離れた場所にいる人と色について共通認識を持ち、色見本帳を用いることで実際に印刷などして出た色が意図した通りに再現されているかを確認し、なっていなければ近づけるよう調整することができます。通常は、意図する色をより確実に他者(社)に伝えるため、色見本帳から切り離した色チップを添えます。

色見本帳の中でも「マッチングシステム」と呼ばれるグラフィック・印刷向けの色見本帳はパントンの代表的存在です。色を探したり選んだりするために扇のように広げて使う縦長のカードを束ねたタイプはよく知られますが、切り離して色チップとして使えるタイプもあります。

同じ番号の色でも印刷する用紙がコーティング紙とコーティングしていない紙(上質紙など)の場合それぞれの色見本があります。また、特色の色見本帳だけでなく、プロセスカラー用の色見本帳や特色とそれをCMYKに変換した場合の色とPCやスマホなどデジタルメディア用にHTML値とRGB値を併記した色見本帳もあります。

化粧品の世界でもパントンは多く活用されています。例えばパッケージデザインや中身色といった製品関係、店舗内装や看板などの売り場関係、ポスターやパンフレットといった宣伝・販促物関係などにおいて、パントンが利用されています。またパントンには、「パントン・スキントーン・ガイド」と呼ばれる色見本帳もあります。何千という実際の肌色を科学的に測定して制作されたものであり、多くの色調と色相を掛け合わせた100色以上の肌色が収録されています。

パントン社の色見本帳は、大きく分けて「グラフィック・印刷向け」、「ファッション・ホーム・インテリア向け」、「プラスチックブロダクト向け」の3種があり、それぞれ「パントンマッチングシステム(PMS)」、「パントンファッション、ホーム+インテリアシステム(FHI)」、「パントンプラスチックカラーシステム」と呼ばれます。紙以外の素材の色見本もあり、世界中で幅広い業界の製品や印刷物において、言語化しづらい色を確実に他者(社)と共有するためのツールとして活用され、パントンから色が選ばれています。

色の開発と色見本帳の制作だけでなく、パントンの色を色チップのままデザインに取り入れた製品や、異業種とのコラボレーションも見られます。企業によってはパントンに自社のブランドカラーを特注し、その色が非公開となっていることもあります。

また、パントン社は世の中の情勢や流行の分析をもとに、毎年12月にカラーオブザイヤー(COLOR OF THE YEAR )を発表しています。これは翌年に向けた色のトレンド予測であり、世界的に商品開発やマーケティングに生かされています。

日本の大日本インキ化学工業株式会社が1968年から発刊している色見本帳のDIC(ディック)も有名で、パントンと同じように利用されています(大日本インキ化学工業株式会社からDIC株式会社に社名が変わっています)。

参考
〇パントン社からの委託を受け、株式会社ユナイテッド・カラー・システムズがパントン社の日本総代理店として、管理・運営しているパントンストア・ジャパンの公式サイト
〇パントン社公式サイト
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