NCVとは、国際輸送する貨物が商取引のない無償提供物品であることを示す表示のこと。送付状やインボイスなどに記載する。
No Commercial Valueの頭文字から。

NCVは、No Commercial Valueの略で、文字通り商用に該当するものではないことを意味し、販売品でないことをあらわします。N.C.V.と表記することもあります。口頭ではエヌシーブイあるいはそのまま英語で読んでノーコマーシャルバリューと表現します。日本では、英語読みの略でノーコマと表現することもあります。

特に企業から発送する場合は、その企業から受取人に対して代金請求が発生する商業利用の輸送が多いこともあり、商取引をしていない物品の場合は、そのことをNCVと記載して示します。商取引をしていない物品とは、海外のグループ会社やビジネスパートナーに対し、情報の提供・共有を目的に送る試作品やモックアップ、見本品などがあります。例えば、新製品に対する理解を深めて発注を検討してもらうため、現地で広告を制作してもらうために商品見本を無償で提供する際、送付状やインボイスにNCVと記入することで、それが商取引でないことを示します。

N.C.V.と記入したり、略さずにNo Commercial Valueと書くこともあります。ただし、無償提供であることはその物品に金銭的価値がないという話ではないため、送付状やインボイスには品名とともにその物品の代金（金銭的価値）を記入しなければなりません。そこで、"No Commercial Value" に続けて、 "Not For Sale" や "Value For Customs Purpose Only" とさらに記入し、非売品であること、記載した価格は通関目的のためだけであることを示すこともあります。