もっと詳しい「業態」 古くから業種別で小売業が発達していたので、化粧品も化粧品屋で販売されていました。次第にGMSやデパートといった業態店でも販売されるようになり、80年代後半には化粧品流通業における業態開発が盛んになりました。どこで、何を、どのように買いたいかという消費者の買い方ニーズの多様化とともに、販売側の売り方戦略も多様化していきました。業態店では複数の品種を扱うため、消費者は業種毎に店を買いまわる手間が省け、販売側も全く異なる品種の取り扱い商品を組み合わせたマーチャンダイジングによってお店の魅力を増したり、他店との差別化を強化したりしてきました。 業態店の増加とともに業種店は縮小傾向にあり、経営も厳しい状態に陥りがちです。これは化粧品流通業だけの現象ではなく、どの業種でもいえることです。そこで、化粧品店はそれまでの販売法の変更や工夫をするようになりました。例えば化粧品に関する雑貨を取り扱ったり、お手入れサービスを強化するなど、化粧品を専門に扱う化粧品専門店としての強みを強調したMDやサービスを手がけ、地域に密着した経営を展開しています。同時にネット販売も行う化粧品店も増えています。 業態店は大型な場合が多く駅周辺や主要道路沿いなど人が集まりやすい場所に立地することが多いのに対し、化粧品店は住宅街の中などにも立地するため、消費者にとっては近くで買い物できる業種タイプの化粧品店の方が便利なこともあります。そこで化粧品会社としては化粧品専門店専用の商品を開発するなどして、業種タイプの化粧品店のメリットを強化する施策も構築しています。 |