海綿スポンジ【カイメンスポンジ、sea sponge】
 
用語解説

<海綿スポンジ>

海綿スポンジとは

海綿スポンジとは、海に生息する海綿という生き物を採取、加工してスポンジとして製品化したもののこと。
単に「海綿」と呼んだり、「海綿パフ」や「天然スポンジ」と呼ぶこともある。「カイメン」と表記することも多い。
海綿スポンジについて
海綿スポンジは、乾燥していると実際のサイズより小さく硬くなっていますが、水にぬらすと柔らかくふっくらとします。一般的には黄色っぽい色で、合成スポンジより弾力性や吸収性に優れ、肌あたりが非常になめらかです。

海綿は、世界中の海に生息する海綿という生き物で、海底ではイソギンチャクやサンゴのような外観をした無脊椎動物です。古代ギリシャ時代には、海底で取れた海綿を顔や体を洗うスポンジとして使っていたと言われています。海綿の特徴的な点は、食べ物など必要な物を取り入れ、不要なものを排泄するたくさんの気孔です。死んだ海綿はその気孔が目立ちます。海綿を餌とする生き物が少ないため、海面は非常に長生きをする生物で、色もサイズも特性も多種多様ですが、すべての海綿が海綿スポンジに適しているわけではありません。

現在、家庭用品や化粧雑貨として広く使われているスポンジは、この海綿を模して合成するようになったものです。もともとスポンジと言えば海綿のことなので、英語で海綿のことはsea sponge、あるいは単にspongeと呼びますし、日本ではスポンジのことをそれが海綿スポンジでなくても海綿と呼ぶことがあります。

海綿は、海綿専門のダイバーが見極めて海底から採取します。現在はダイバーが減少し、合成スポンジの種類も豊富なため、海綿は昔ほど使われなくなりましたが、耐久性があり吸収性や肌触りに優れるため、現在も体や顔を洗うスポンジ、ファンデーション塗布用のスポンジ、衛生用品などとして需要があります。ダイバーが海底から採取した海綿を、乾燥させ、汚れや海綿に残っている余分な組織などを落とし、用途に合わせてカットしてからスポンジとして製品化します。このように天然のものを利用しているため、同一製品であっても個々に形や穴の状態が異なります。
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