けん化法【ケンカホウ】
 
用語解説
けん化法とは
けん化法とは、天然油脂とアルカリを撹拌しながら焚くことでけん化反応を起こして石けんを作る方法のこと。けん化法は伝統的な石けんの製造法。
釜焚き製法や釜焚きけん化法など様々な呼び方がされれる。
けん化法について
〇けん化法による一般的な石けんの製造法
けん化法は、天然油脂そのものにアルカリ(苛性ソーダ)を加えて石けんを作る昔ながらの方法です。伝統的かつ基本的な石けんの製造方法です。一般的な石けんのつくり方としては、釜焚き塩析法とも呼ばれ、焚きながら塩析をします。

大きな釜の中で牛脂やパーム油などの天然油脂を加熱しながら、水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)などを加え、撹拌しながらぐつぐつと時間をかけて焚き続け、けん化反応を起こします。釜の上層にどろどろしたものがたまり、このどろどろしたものを石けんのもと(石けん膠、ニートソープ)と呼びます。

石けんのもとには、油脂から分かれたグリセリンや苛性ソーダなどが残っているため、それらを除くために塩析をします。食塩水を加えて分離させると、純度の高い石けんのもとが上層に浮かびます。求める純度になるまでこれらの作業を繰り返し、最後に下層の不純物が混ざった液体を流し出します。

上層の石けんのもとを汲み上げたものを石ケン素地と呼び、この石けん素地を枠練り法機械練り法で仕上げたものが、一般的にイメージされる製品としての石けんです。けん化反応の副生成物としてグリセリンができ、じっくりと釜の中で焚き続けることで、このグリセリンや水分が含まれるため、けん化法で作られた石ケン素地はしっとりしているとよく言われます。4日から1週間、あるいは1週間以上焚き続けることもめずらしくなく、温度や湿度、油脂の状態などが影響するため職人の技術と経験がものを言う製造方法です。

以上のような昔ながらの一般的な製造法は、釜焚き塩析法の他に、けん化塩析法、塩析法、熱製法、ホットプロセス、バッチ法などとも呼ばれます。

〇塩析をしない場合、焚かない場合
塩析をしない方法や焚かずにけん化させる製造法もあります。焚きますが塩析しない製造法は水焚法や焚き込み法などとも呼ばれます。ぐつぐつ焚かず(油脂の溶解のみ加熱し、その後は反応熱のみでけん化させる)、塩析も行わない方法は、冷製法やコールドプロセスなどと呼ばれ、ハンドメイドで多い作り方です。

〇アルカリ剤について
けん化に用いるアルカリ剤は、固形石鹸を作る場合は水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)、液体石けんを作る場合は水酸化カリウム(苛性カリ)が用いられます。液体石けんの場合は塩析はできません。

〇その他
機械を使って簡便に石ケン素地をつくる中和法という方法もあります。
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