コーンロウ【cornrows】
 
用語解説
コーンロウとは
コーンロウとは、編み込みをたくさん作ったヘアスタイルのこと。もとはアフリカの伝統的なヘアスタイルで、頭皮に沿った部分は編み込み、頭から離れた部分は三つ編みにする。髪を細かく分け、細いものをたくさん作るスタイルが主流。
コーンロウについて
コーンロウでは、編み込みは通常裏編みで形成されます。裏編みは、編み込みの形が全てはっきり露出し、より立体的です。この編み込み部分を幾何学模様や曲線の流れにしたり、ビーズなどを組み込ませてデザインすることもあります。髪の長さや編み込みの細かさ、デザインなどにより、スタイルの完成までに何時間もかかることもあります。

頭に沿った編み込み部分がトウモロコシの粒が並んだように見えることや、トウモロコシが列になって並んだトウモロコシ畑のように見えることから、コーン(corn:トウモロコシ)、ロウ(row:列)と呼ばれます。

コーンロウはアフリカの伝統的なヘアスタイルです。ファッションとしては、アメリカのアフリカ系コミュニティの間で1970年代に復活し、1990年代と2000年代に流行することがありました。今日では人種に関係なく世界中でファッションとして人気があり、アフリカンブレイズ(African braids)やボクサーブレイズ(Boxer braids)と呼ばれることもあります。しかしながら、これらの別名には様々な意見があります。

コーンロウは、新しい流行のヘアスタイルのように捉えられることもありますが、紀元前3000年にはアフリカに存在していたものです。コーンロウだけでなく髪を編むこと自体がアフリカを発祥とし、それぞれのヘアスタイルが、富や権力、属する種族などの身分、年齢、婚姻の状態、宗教的思想などを意味していました。その伝統が何世代にもわたって受け継がれ、スタイルを変えながら、エジプト、ギリシャ、ネイティブアメリカン、ヨーロッパ、中国などへと広まりました。

現在のコーンロウに通じるスタイルと「コーンロウ」の呼び方は、歴史的な出来事の中で19世紀に生じたと言われています。アメリカでは、農業で働くアフリカ系住民はトウモロコシ畑を思い出させることから、コーンロウ(cornrows)と呼び、それは多くの黒人女性が常にしているヘアスタイルでした。カリブ海諸国のアフリカ系住民の間では、サトウキビ畑を思い出させるケインロウ(canerows)と呼ぶこともあります。ケインのcaneはサトウキビの意味です。

コスメコンシェルジュからひと言

ヘアスタイルやメイク、服飾は、それらが生まれた国や地域の歴史と密接な関わりがあることも少なくありません。コーンロウは日本でもアメリカ発の新しいヘアスタイルの流行として捉えられることがありますが、アメリカを中心に論争の的になるヘアスタイルです。

アフリカにルーツのない有名人やコレクションでのモデルがコーンロウをすることに対し、異議が唱えられたり、違和感を感じる人が出たりすることが時々あります。文化の盗用だとSNS上で炎上することもあります。これは、コーンロウがどこからどのように伝わってきたかを考えることなく、敬意を表さずに、ヘアスタイルのみを取り入れていると思われたり、アフリカで昔からあるスタイルにもかかわらず、メディアや有名人が新しいスタイルとして発表する点に嫌悪感を持たれたりすることが原因のようです。

コーンロウをボクサーブレイズやKKWブレイズ、マイクロブレイズなどと呼ぶことがありますが、それら新しい言葉はコーンロウに織り込まれた長い歴史を打ち消してしまうという考えから、好ましく思わない人も少なくないようです。

ファッションだけの話ではありませんが、特にヘアスタイルやメイク、服飾は、昔から自分を守ったり、自分の所属や信仰を表現したり、儀式の一つだったりなど、文化や歴史と密接な関わりがあります。現代の流行によって、それら文化や歴史的背景が打ち消される恐れが深い時に、論争に発展するのかもしれません。髪型やメイクなどからも世界の文化や歴史を考えさせられます。


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