UPF【ユーピーエフ、Ultraviolet Protection Factor】
 
用語解説
UPFとは
UPFとは、衣類の紫外線防護係数のこと。厳密にはその衣類に使われている布地(繊維)の紫外線防護係数のことであり、紫外線防護指数とも呼ばれる。
SPFPA日焼け止め化粧品の指数であることに対し、UPFは洋服やラッシュガード、帽子などの衣類の素材に対する指標。UPF50といった具合に表示し、UPF50+が最高表示。
UPFは、1996年にオーストラリアで初めて標準化された指標で、Ultraviolet Protection Factor の頭文字をとったもの。
UPFについて
〇UPFとSPFの違い
UPFはSPFの衣類版と言われることがありますが、完全にそう置き替えられるものではありません。SPFやUPFの表示値を決めるベースとなる測定では、SPFの場合はUVBのみを肌に照射し紅斑を判定しますが、UPFの測定で照射する波長にはUVAとUVBの両方が含まれ、肌には照射しません。また、SPFは実際にSPF表示をする日焼け止めを用いて測定しますが、UPFの場合は布地の測定であって仕立てられた衣類そのものでテストしているわけではありません。

〇UPFの意味、解釈の仕方
UPFは、290nm-400nmを含む波長を照射したときの生地の透過率に紫外線の波長毎の皮膚への影響度などを考えて出した係数です。UPF30と表示されている場合、その衣類を着用することによって、衣類に覆われた部分の肌が浴びる紫外線量が1/30になることを意味します。つまり、肌への紫外線影響度が1/30になるということであり、ここからその生地で覆われた部分は、素肌(日焼け止めも塗布しない)の時と同レベルの日焼けをするには30倍の時間がかかると考えることができます。UPF値が高いほど紫外線防護能が高くなります。

ただし、布地をストレッチさせたり、濡らしたりすると、紫外線防御効果は落ちます。プールの化学薬品の影響を長いこと受けた場合、摩擦・色あせなどがある場合も効果が落ちている可能性があります。また、製造段階から酸化チタンなどの微粒子を織り込めるポリエステルを代表する化学繊維とは異なり、綿などの天然素材は一般的に布地に紫外線吸収剤をコーティングしているため、洗濯を繰り返すことで効果が落ちると言われます。
UPF値が付いた衣類でも、着用回数や使い方により、新品時と同じ効果を得られなくなる可能性があるということです。また柄物では、色柄の違う部分は効果が異なることが考えられます。縫い目部分についても、針が通った穴や糸の影響により効果が異なることが考えられます。
〇日本の規格
2019年1月、JIS L1925として繊維製品の紫外線遮断率の評価方法の規定が発行されました。この規格では、紫外線遮断率とUPFの格付け値が規定されています。
規格発行前は、日本科学繊維協会の規格やオーストラリアとニュージーランドの規格を参考に、企業によって様々な方法がとられ、その表示方針も統一されていませんでした。JIS制定により、消費者が衣類の紫外線遮断効果を比較しやすくなると考えられます。

日本のUPFレイティングは、UPF15からUPF50までの5段階刻みの表示とUPF55以上を55+と表示する9段階です。UPF表示をするには、紫外線遮断率が約93%以上のものが対象となり、それ以下の遮断率ではUPF表示ができません。紫外線の遮断率がUPF15では93%、UPF50+では98.7%が求められています。
世界の基準となっているオーストラリアの規格
〇オーストラリアの規格
UPFは、オーストラリアのARPANSA(オーストラリア放射線防護・原子力安全庁)で開発されました。皮膚がんの罹患率が他に比べて高いオーストラリアは紫外線対策先進国です。

1990年には、ARPANSAは、UPFの測定法からUPF値を表示するトレードマークまで一連のUPF認証スキームを開発しました。そして、1996年にはオーストラリアとニュージーランドの日焼け防止衣類(Sun Protective Clothing)の規格を発行(AS/ NZS 4399)、2017年には改定されています。現在は2017年版の「AS/NZS 4399:2017 Sun protective clothing」が用いられています。

〇世界的に使われているレイティングシステム
オーストラリアとニュージーランドの規格「AS/NZS4399」は、従来より世界的に活用され、UPFの測定や値の評価システムは多くの国・地域で似たものになっています。日本でもJIS L1925ができましたが、UPFに関してはこの規格と同じ考え方で評価されています。2017年に発行された右の表で示す内容が最新です(2019年6月現在)。

このレイティングシステムでは、UPFは、UPF15、UPF30、UPF50、UPF50+の4レベルがあり、わかりやすいよう3つのカテゴリーに分けられています。日本では、UPFレイティングを「格付け」や「等級」と呼び、Minimum、Good、Excellentのプロテクションカテゴリーは「防護分類」や「級分類」と訳されることが多いです。
〇サンプロテクティブクロッシング (Sun Protective Clothing)
オーストラリアでは、基準を満たすと紫外線防御衣類と呼ぶことができますが、それは単に使用する生地にUPFがあればいいというわけではありません。サンプロテクティブクロッシングと呼ぶには、最低UPF15が必要で、さらに肌をこれだけは覆わなくてはいけないなどの細かい取り決めがあります。例えば、どんなにUPFが高い生地でできた製品でも、体を覆う面積が狭いビキニはサンプロテクティブクロッシングになりませんし、帽子についてはつばの形などタイプが定められています。

オーストラリアでは、UPFを示すARPANSA発行のスイングタグをつけることで消費者に訴求していますが、ARPANSAのスイングタグをつけなくてはならないというわけではありません。また、オーストラリア以外の国でもオーストラリアの基準を採用しARPANSAにUPFの測定・評価を依頼し、ARPANSAのスイングタグをつけている企業もあります。

以下はARPANSA発行のパンフレット。UPFレイティングの分類が規格変更前の内容になっている以外、現在有効(2019年6月現在)の最新情報とのこと。
ARPANSAのホームページには紫外線防御製品を求める消費者のためにそれら製品を扱う企業リストがあり、日本の企業も見られます。

コスメコンシェルジュからひと言

UPFの表示有無に関係なく、布地の中には紫外線防御に優れたものがあります。しかし種類や織り方、厚さや色などにより異なるため、判断は容易ではありません。かと言って、紫外線は可視光線と違って目に見えないため、素材を太陽光に透かしてどれだけ透過するかを見るのも現実的でありません。そこでUPFは一つの目安になります。

ARPANSAでは、UPF測定は仕立てられた衣類ではなく、繊維でテストしていることを強調することで注意喚起しています。

また、2017年の改定版「AS/NZS 4399:2017」では、それまでの1996年版「AS/NZS 4399:1996」ではGoodだったUPF値がMinimumになったり、カテゴリー分けがシンプルになったりしています。生産者にとってはハードルが上がったと考えられますが、消費者に対してはより安全なレベルでの選択を促すかたちです。

日焼け止めSPFも同じですが、数字だけに惑わされないこと、数字に過剰に期待しないことが大切です。そして、UPFはあくまでも素材に対する評価であることを忘れないようにしましょう。時には、日焼け止めとの併用も必要です。
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