回転率【カイテンリツ、Inventory Turnover】
 
用語解説
回転率とは
回転率とは、在庫が一定期間にどれだけ売れて入れ替わるかを示す指標。
回転率の詳しい話
回転率とは、商品がどれだけ効率よく売れて在庫が入れ替わっているかを示す指標のことです。在庫の動きを表す販売管理の基本用語で、化粧品業界でもよく使われます。

●回転率の基本式
回転率(Inventory Turnover)は、次の式で計算されます。

回転率 = 売上原価 ÷ 平均在庫高

回転率が高いほど、在庫がよく動き、売場や倉庫を効率よく使えていることを意味します。逆に低い場合は、在庫が滞留している可能性があります。

●売上原価とは
売上原価とは、「売れた商品の原価」のことです。
仕入れ価格と間違えやすいですが、仕入れ価格は商品を買ったときの価格で、売上原価は売れた分にだけかかった原価であり、会計上は厳密に異なります。
ただ、実務では、回転率の理解のために「売れた商品の仕入れ値」とざっくり捉えることもあります。

●平均在庫高とは
平均在庫高とは、「一定期間にどれくらい在庫を持っていたか」を表す平均値のことです。会計上は一般的に、
(期首在庫 + 期末在庫)÷2
で求めます。

●化粧品業界での回転率の例
化粧品は、パッケージ変更や季節限定品も多いため、在庫の鮮度管理が特に重要です。

回転率の評価は例えば、
美容液Aが、回転率 8回/年
美容液Bが、回転率 2回/年
であれば、A の方が回転率がよい、つまり陳列場所での動きがよく、「棚効率が高い」と表現されます。
ドラッグストアやバラエティストアでは、回転率の良い商品がゴールデンゾーンを取りやすくなることが一般的です。逆に力を入れたい商品をゴールデンスペースに陳列して回転率をあげようという場合もあります。

●化粧品現場で回転率をどう扱うか
化粧品店やメーカーでは、回転率を
棚割の決定
・発注数量の判断
・生産・在庫計画
・限定品や新商品の発売数の調整
・商品の入れ替え判断
などを検討する際に参考にします。
販売店での陳列棚は有限です。回転率は「その棚をどれだけ有効活用しているか」を見える化する重要な指標です。

回転率について思うこと(コスメコンシェルジュから一言)

化粧品は季節性・トレンド性が高く、在庫の管理がとても繊細なカテゴリです。
回転率は、算出してその数字に一喜一憂するだけというものではもちろんなく、
回転率がよい商品は、店舗の売場にとっても信頼の置ける存在となり、棚での生存率が上がります。

当サイト管理者も特に営業時代は、数々の販売現場で、数字が商品寿命を左右することを実感することが多かったです。
いくら品質のいい製品でも、回転率が低ければ棚から外されてしまうことも少なくありません。ブランド全体に影響すれば、自社の取引自体がなくなることもあります。

回転率は「売れているかどうか」を知るだけでなく、どれだけ良い棚位置を確保できるかにも直結します。数字ひとつで商品寿命やブランドの扱われ方が変わることを、現場で強く実感していました。

数字の裏にある消費者の行動やニーズを読み解き、広告宣伝とのギャップをいかに埋めるかが営業やマーケティング活動で大切だと思います。
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